電力中央研究所

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電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)

報告書データベース 詳細情報


報告書番号

EX22015

タイトル(和文)

ボイラ伝熱面の腐食対策としてのクリーピーコートの耐久性評価

タイトル(英文)

Durability evaluation of CRIEPI coat as a corrosion protection for boiler tubes

概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)

背  景
石炭・石油火力発電所ボイラ伝熱面(水冷壁管、過熱器管、再熱器管、管寄等)では、表面温度350~630℃程度であり、硫化腐食や高温酸化が問題となっている。その問題に対し、安価で簡便な対策の一つに当所の開発したクリーピーコートがある。近年、ボイラの定期検査間隔の延伸(2年から最長6年)に伴い、ボイラの保守計画を立てる上でクリーピーコートの耐用年数が重要になっている。
背  景
石炭・石油火力発電所のボイラ伝熱面(水冷壁管、管寄、再熱器管、過熱器管等)では、燃焼による高温の熱、燃料に含まれる硫黄、また溶融灰の付着の影響等を受け、硫化腐食、高温酸化、溶融塩腐食が問題となっている。これらの問題に対する安価かつ簡便な対策として、当所の開発したクリーピーコート🄬がある。ボイラの定期検査周期の延伸(2年から最長6年)に伴い、ボイラの保守計画を立てる上でクリーピーコートの耐久性が重要になっている。
目  的
実機ボイラ伝熱面において最長6年にわたる実証試験を行い、クリーピーコート(F0型, S0型, H0型)の耐久性を明らかにする。
主な成果
1. 硫化腐食環境下にある水冷壁管での耐久性
石炭火力ボイラ水冷壁管での長期にわたる実証試験の結果(F0型)、クリーピーコートは内部腐食層の成長を抑え、6年経過後も耐食機能を維持していた。また、S0型については、2年間の実証試験より初期型のF0型に比べ耐硫化腐食性能に優れていることが確認された。さらに、クリーピーコート膜厚を厚くすることで耐食機能の持続性の向上が示唆されたこともあり、6年間の耐用年数は確保できる。
2. 高温酸化環境下にある管寄、再熱器、過熱器での耐久性
管寄スタブ管での6年間の実証試験により、未施工部では百数十µmの内部腐食層が見られたのに対し、H0施工部では内部腐食層を数µmに抑えており、クリーピーコートにより大幅に腐食を低減(1/50~1/20)できた。
再熱器管でも6年間の実証試験より、H0施工部では未施工部に比べ内部腐食層を1/6程度に低減でき、溶融灰の影響を含め腐食の進行を抑えられた。
過熱器管では4年間の実証試験より、再熱器管と同様に未施工部に比べ内部腐食層を1/4程度に低減でき、溶融灰の影響を含め腐食の進行を抑えられた。
以上の実証試験により、最長6年のボイラ定期検査周期に対応できる耐久性は見込め、クリーピーコートを適用することで、ボイラの保守コスト低減につながるものと考えている。
今後の展開
耐食機能の他に、ボイラ損傷対策として灰付着抑制等の新たな機能を加えたクリーピーコートの開発を進める。

概要 (英文)

In thermal power generation equipment, significant wall thinning on boiler tubes due to sulfide corrosion and high temperature oxidation has been a serious problem. One of the economical methods for mitigating the problem is coating of a SiO2/TiO2/Al2O3-base/TiO2 film (CRIEPI coat) by liquid spraying. Recently, with the extension of the periodic inspection interval of boilers (up to 6 years), the effective life of CRIEPI coat has become important in boiler maintenance plans. To evaluate the durability of CRIEPI coat, long-term tests were conducted on coal-fired and oil-fired boilers. As a result of a long-term verification of 6 years on a water-wall where sulfidation corrosion is a problem, it was found that CRIEPI coat maintains corrosion resistance and suppresses corrosion. In addition, it was suggested that durability was improved by increasing the film thickness. Furthermore, long-term verification was performed for 6 years or 4 years on stub tubes, reheater tubes, and superheater tubes in which high-temperature oxidation is a problem. In the case of the stub tubes, creepy coating greatly reduced corrosion (1/50~1/20). Even in the reheater tubes, the creepy coat reduced corrosion to about 1/6, and corrosion including the effect of molten ash was suppressed. In the superheater tubes, corrosion reduced to about 1/4 by creepy coat, and corrosion including intergranular corrosion due to the influence of molten ash was suppressed. These results proved that the effective life of the CRIEPI coat is about 6 years.

報告書年度

2022

発行年月

2023/07

報告者

担当氏名所属

河瀬 誠

エネルギートランスフォーメーション研究本部 エネルギー化学研究部門

井戸 彬文

エネルギートランスフォーメーション研究本部 エネルギー化学研究部門

キーワード

和文英文
火力発電所 Thermal power plant
ボイラチューブ Boiler tube
クリーピーコート CRIEPI coat
硫化腐食 Sulfide corrosion
高温酸化 High temperature oxidation
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