電力中央研究所

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電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)

報告書データベース 詳細情報


報告書番号

EX22016

タイトル(和文)

ボイラ伝熱面へのレーザークリーニングの適用検討

タイトル(英文)

Application study of laser cleaning to boiler tubes

概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)

背  景
近年、公共の橋梁等の鋼構造物の腐食生成物や旧塗膜の除去において、粉塵や産業廃棄物の削減の観点から、サンドブラストの代わりにレーザークリーニングが注目されている。火力ボイラ定期検査におけるボイラ伝熱面の腐食生成物の除去において、現状サンドブラストが一般的に用いられているが、粉塵作業の削減の利点もあることからレーザークリーニングの利用の可能性がある。
目  的
レーザークリーニングにより腐食生成物の除去を行ったボイラ伝熱面の表面状態を調査し、実機ボイラへの適用性を検討する。
主な成果
1. ボイラ伝熱面に対するレーザークリーニングの影響調査
レーザーの発信方式やレーザービーム形状の異なる装置を用い、ボイラ伝熱管(水冷壁管、過熱器管、再熱器管)の抜管材に対してレーザークリーニングを実施した。
(1) 水冷壁管
レーザークリーニング後では、レーザー照射跡の凸凹が見られるとともに、一部腐食生成物が残存するが、ほとんどの腐食層や灰は除去できている。また、溶射皮膜が施工された管や溝状腐食が顕在化した管においても、レーザーの発振方式やレーザービーム形状等を選ぶことで、基材に過度な熱影響を与えることなく処理できる。
(2) 過熱器管および再熱器管
過熱器管や再熱器管のように溶融灰が付着する部位では、高温酸化に加え粒界腐食が生じており、その部位にレーザークリーニングを適用した場合、粒界腐食部を起点にき裂が広がる場合があった。このため粒界腐食がある部分に適用する際には基材のクリープ破断強度、疲労強度、材料組織等の健全性調査を行う必要がある。
2. 実機ボイラへの適用性評価
石炭火力ボイラ水冷壁管表面への耐食コーティング用の下地処理として、レーザークリーニングを適用した。サンドブラストと比べ産業廃棄物を大幅に削減でき、事前に固着した灰や厚い腐食生成物を別工法等で除去することにより作業工期も同程度にできることから、レーザークリーニングは有効な腐食生成物の除去技術になりうる。
今後の展開
ボイラの管寄付近等のサンドブラストの利用が難しい場所でのレーザークリーニングの有効性を確認する。

概要 (英文)

In the surface preparation process for painting, laser cleaning has been attracting attention instead of sandblasting from the viewpoint of environmental consideration and reduction of industrial waste. However, in the thermal power plants, sandblasting is generally used to remove ash and corrosion products from the boiler heat transfer surface, and the use of laser cleaning has hardly been considered. Therefore, we investigated the applicability of laser cleaning as a corrosion removal technique on the heat transfer surface of boilers. The boiler tubes (water-wall tube, superheater tube, reheater tube) were cleaned by laser, and the surface and cross-sectional observation were performed by SEM and EPMA. As a result, ash and corrosion removal was effective on tubes without intergranular corrosion such as water-wall tubes. However, since intergranular corrosion occurred in areas where molten ash adhered, such as superheater tubes and reheater tubes, it was found that cracks opened from the intergranular corrosion part by laser cleaning. Thus, care must be taken when applying laser cleaning to parts with intergranular corrosion. Furthermore, the laser cleaning was applied to the water-wall tubes of an actual coal-fired boiler. As a result, industrial waste was significantly reduced compared to sandblasting, and there was no significant difference in cost or construction time. Laser cleaning will be one of the effective corrosion removal techniques for boilers.

報告書年度

2022

発行年月

2023/07

報告者

担当氏名所属

河瀬 誠

エネルギートランスフォーメーション研究本部 エネルギー化学研究部門

井戸 彬文

エネルギートランスフォーメーション研究本部 エネルギー化学研究部門

譜久島 龍

沖縄電力株式会社 発電本部 発電部 具志川火力発電所 保守グループ

キーワード

和文英文
レーザークリーニング Laser cleaning
サンドブラスト Sandblast
腐食生成物除去 Surface preparation
ボイラチューブ Boiler tube
火力発電所 Thermal power plant
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