電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)
報告書データベース 詳細情報
報告書番号
EX25004
タイトル(和文)
軽水炉プラントの機器・配管の保全重要度評価における作業安全リスク指標の導入と本指標に基づく判断基準の提案
タイトル(英文)
Introduction of work safety risk indicator for equipment and piping maintenance significance in light water reactor plants and proposal of decision criteria based on the indicator
概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)
【背景】
国内の原子力プラントでは新規制基準への適合の中で安全系統・機器の追加設置等に伴い検査箇所が増大傾向にある。一方で検査資源は有限であることから、プラントの劣化事象に対する保全活動のさらなる合理化のため、定量可能な指標を定め、その指標に基づく保全管理方法の分類、およびその分類に応じた保全活動を行うことが必要になると考えられる。日本電気協会の保守管理規程・指針では、安全機能の重要度分類等の原子力安全に関するリスクに加え、運転経験や作業安全等の工学的な指標を判断基準として、機器・配管の「保全重要度」を判定するフローが規定されている。しかし上記の内、工学的な判断に関する指標は必ずしも定量化されていない。当所ではこれまで、配管系統の損傷頻度や配管損傷時の人身影響(熱傷)を評価することで、保全重要度評価における作業安全上のリスク(作業安全リスク)の定量評価モデルを構築してきた。
【目的】
作業安全リスクを実機プラント条件で試算し、現行の保守管理規程・指針に加えて本指標を考慮した保全重要度の判断基準を提案する。
【主な成果】
1.原子力プラントの配管系統における保全上の作業安全リスクの試算
配管損傷頻度(PFF:Pipe Failure Frequency)の指標として「主要な配管劣化事象である配管減肉(FACおよびLDI)による損傷頻度」を、配管損傷時影響度(PFC:Pipe Failure Consequence)の指標として「熱傷による人的被害数」を用い、保全重要度における作業安全リスクを試算した。実機プラントの配管系統相当の条件に対して、熱傷による年間死亡率とPFF・PFCの閾値を基準に4つの作業安全リスクに分類して評価した結果、配管損傷時に減圧沸騰(フラッシング)を伴う100℃より高温の水系統では相対的に流量が大きく、漏洩流体が広範囲に拡散するため作業安全リスクが相対的に高くなる。一方で、100℃以下の低温水や負圧蒸気の系統では熱傷が生じにくい、または流体が噴出しない等のために作業安全リスクが低くなることが示唆された。
2.作業安全リスクを考慮した保全重要度の判定基準の提案
現行規定・指針における保全重要度の判定フローに対して、PFFおよびPFCを用いた作業安全リスク指標を考慮した判断基準を提案した。この保全の枠組みを活用することによって、従来は定量的に考慮できなかった作業安全リスクに基づく保全重要度の判断が可能となる。その結果、作業安全リスクの低い低温水系統や負圧系統の保全管理を合理化できることが示唆された。
概要 (英文)
報告書年度
2025
発行年月
2026/03
報告者
| 担当 | 氏名 | 所属 |
|---|---|---|
主 |
渡辺 瞬 |
エネルギートランスフォーメーション研究本部 プラントシステム研究部門 |
共 |
森田 良 |
エネルギートランスフォーメーション研究本部 プラントシステム研究部門 |
共 |
湯淺 朋久 |
エネルギートランスフォーメーション研究本部 プラントシステム研究部門 |
キーワード
| 和文 | 英文 |
|---|---|
| 発電プラント | Power plants |
| 保守管理規程 | Code for maintenance |
| 保全重要度 | Maintenance significance |
| 作業安全リスク | Work safety risks |
| 配管損傷 | Piping failure |
