電力中央研究所

報告書「電力中央研究所報告」は当研究所の研究成果を取りまとめた刊行物として、昭和28年より発行されております。 一部の報告書はPDF形式で全文をダウンロードすることができます。

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電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)

報告書データベース 詳細情報


報告書番号

G03004

タイトル(和文)

低線量率放射線照射によるC57BL/6Nマウスの免疫機能の変動 --リンパ球の増殖応答とNK細胞の傷害活性を指標として--

タイトル(英文)

Influence of chronic low dose-rate irradiation on the immune system of C57BL/6N mice-Mitogen-induced proliferation of lymphocytes and cytotoxicity of natural killer cells-

概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)

我々は以前低線量放射線の持続照射によりメチルコランスレン誘発皮下がんの発がん率が抑制されることを発見した。今回、我々はこの低線量率放射線の発がん抑制効果のメカニズムを明らかにするために、同じC57Bl/6Nマウスを用い、マイトジェンによるリンパ球の増殖応答と、ナチュラルキラー細胞の細胞傷害性について検討を行った。その結果、ConAに対するTリンパ球の増殖はマウス体内吸収線量率0.95mGy/hrの照射を4週間続けたとき、亢進されることが示されたが、これは一過性のものであった。また、LPSに対するBリンパ球の増殖応答は同線量率0.95 mGy/hrあるいは0.30 mGy/hrの照射、1-12週間では変化が見られなかった。さらに、ナチュラルキラー細胞の標的細胞への傷害性についても低線量率放射線持続照射によって影響を受けなかった。これらの結果、C57Bl/6Nマウスにおいてリンパ球の増殖応答やNk細胞の活性は、低線量率放射線照射による発がん抑制に直接つながる程の反応はみられず、マウス全身の免疫システムの解析の重要性が示されたといえる。

概要 (英文)

We found previously that chronic low dose-rate irradiation suppressed the incidence of methylcholanthrene-induced fibrosarcoma. To elucidate the mechanisms underlying the suppressive effect of low dose-rate irradiation on the carcinogenesis, we studied the mitogen-induced proliferation of splenocytes and the cytotoxicity of natural killer cell of C57BL/6N mice. ConA-induced proliferation of T cells was stimulated by irradiation with 0.95 mGy/hr for 4 weeks. However, the response was transient. LPS-induced proliferation of B cells was not stimulated by irradiation with 0.95 mGy/hr or 0.30 mGy/hr. In addition, the cytotoxicity of natural killer cells against target cells was not enhanced by chronic low dose-rate irradiation. These results suggest the importance of the analysis of the immune system in the total body.

報告書年度

2003

発行年月

2003/05

報告者

担当氏名所属

星 裕子

低線量放射線研究センター

酒井 一夫

低線量放射線研究センター

キーワード

和文英文
低線量放射線 Low dose radiation
低線量率 Low dose-rate
免疫システム Immune system
増殖応答 Proliferative response
細胞傷害性 Cytotoxicity
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