電力中央研究所

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電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)

報告書データベース 詳細情報


報告書番号

GD22030

タイトル(和文)

プレハブ式CVケーブル終端接続部の劣化診断手法として現場適用可能なアセチレン検出手法の開発

タイトル(英文)

Development of acetylene detection method for on-site application as a diagnosis method for deterioration of pre-fabricated type termination for XLPE cable

概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)

背  景
 電力供給を担う基幹設備の一つであるCV ケーブルでは,プレハブ式終端接続部が多用されている。CV ケーブル端部での電界集中の抑制のため,ゴム製のストレスコーンが装着されており,これとケーブル絶縁体との界面では長期運用に伴い析出物が発生することがある。これが部分放電の発生要因となって,絶縁性能低下に至る可能性がある。部分放電が継続して発生した場合,アセチレンなどの放電現象固有の分解生成ガスが終端接続部内部に蓄積することから,アセチレン濃度に着目した劣化診断手法が提案されている。しかし現状,現場で微量なアセチレンの有無を簡易に判定できる手法はほとんど無く,現場適用性の高い検出手法の開発が求められている。
目  的
 既存のガス分析手法を整理し,アセチレンに対する簡易かつ現場適用可能なガス分析手法を提案するとともに,アセチレン検出手法としての実現性を検証する。
主な成果
1. 既存手法の整理と新たなガス分析手法の提案
 一般的なガス分析手法は,機器分析,ガス検知管,ガスセンサに大別される (表1)。部分放電による分解生成ガス中のアセチレン濃度は極めて低い (数ppm 以下) ため,ガス選択性注5)と検出感度の観点から機器分析ではガスクロマトグラフ (GC) が適するが,現場適用が難しい。一方,ガス検知管やガスセンサは現場適用性が高いものの,ガス選択性が低く対象ガス以外とも反応する。そこで,検出結果を数値化して統計処理可能なガスセンサに着目し,ガス選択性や検出感度の異なるセンサを複数組み合わせ,各センサの検出値に多変量解析を適用することで,アセチレンの有無や濃度を推定することが可能なガス分析手法を開発した (図1)。
2. 提案したアセチレン検出手法の検証
 部分放電による分解生成ガスを想定したアセチレンやその他の成分を含む混合ガス158パターンから,ガスセンサ計5 種 (図2) の検出値を取得した。得られた検出値に対するPLS 回帰の結果 (図3),プロットの分布がアセチレン濃度順に並ぶ傾向が得られた。これにより,本手法にて微量なアセチレンの有無やおおよその濃度を推定し,終端接続部内での部分放電の発生可能性をその場で判断できる見通しが得られた。
 さらに,部分放電発生初期を想定したアセチレン濃度3 ppm 以下の領域における検出感度を検証したところ,およそ0.3 ppm を検出下限濃度として,アセチレン濃度を推定でき,GCに匹敵する感度とガス選択性を持つことが明らかとなった。
今後の展開
開発した手法を実際のプレハブ式終端接続部に適用し,現場適用性を検証する。

概要 (英文)

Pre-fabricated type termination is often adopted for XLPE cable system, which is equipped with a stress relief cones made of rubber material to suppress the electric field concentration at the end of outer semiconducting layer of the XLPE cable. At the interface between the stress relief cone and the cable insulation, precipitates are generated during long-term operation, leading to the generation of partial discharge and possible degradation of insulation performance. If partial discharge continues to occur, decomposition product gases such as acetylene accumulate inside the metallic enclosure of the termination, and a degradation diagnosis method focusing on acetylene concentration has been proposed. However, there are very few methods that can easily determine the presence or absence of trace amounts of acetylene at its on-site measurement, and there is a requirement for the development of a field-applicable detection method. Therefore, the existing gas analysis methods are reviewed firstly in this report. Then a simple and field-applicable gas analysis method for acetylene is proposed, and its feasibility as an acetylene detection method is verified. By combining several gas sensors with different gas selectivity and detection sensitivity, and applying multivariate analysis to the detected values of each sensor, a new acetylene detection method was proposed to estimate the existence and concentration of acetylene. The proposed method was capable of estimating differences in trace acetylene concentrations from the distribution of plots, and was able to detect 0.3 ppm as the lower detection limit, which is comparable to that of gas chromatographs.

報告書年度

2022

発行年月

2023/10

報告者

担当氏名所属

三坂 英樹

グリッドイノベーション研究本部 ファシリティ技術研究部門

高橋 俊裕

グリッドイノベーション研究本部 ファシリティ技術研究部門

キーワード

和文英文
アセチレン Acetylene
CVケーブル XLPE Cable
プレハブ式接続部 Pre-fabricated type terminaion
ガスセンサ Gas Sensor
多変量解析 Multivariate Analysis
Copyright (C) Central Research Institute of Electric Power Industry