電力中央研究所

報告書「電力中央研究所報告」は当研究所の研究成果を取りまとめた刊行物として、昭和28年より発行されております。 一部の報告書はPDF形式で全文をダウンロードすることができます。

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電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)

報告書データベース 詳細情報


報告書番号

M06006

タイトル(和文)

石炭ガス化スラグ有効利用に向けた発泡化技術の開発-フライアッシュ添加によるスラグ発泡性の改善-

タイトル(英文)

Development of foaming technique to promote utilization of coal gasification slag -Improvement of foaming characteristics of slag by addition of fly ash-

概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)

石炭ガス化スラグを高付加価値化すれば、副産物収入の増加により運用コストが低減されるため、石炭ガス化複合発電の商用化支援につながると考えられる。そこで当所は、スラグの加熱発泡特性に着目して軽量骨材利用の検討を進め、前報で推奨スラグ組成を示した。しかし、推奨スラグ組成から大きく外れ、スラグ発泡性の低い炭種もみられるため、スラグ発泡性の改善技術が必要である。また、より幅広い炭種へ対応できるようデータを拡充することも有意義である。そこで、スラグ発泡性の低いスラグの発泡性改善法を検討し、フライアッシュ等を微粉炭に添加し、灰中のSi、Al成分を推奨スラグ組成に近づけた上でガス化したところ、排出スラグの発泡性が改善されることを示した。IGCC商用機でフライアッシュ添加によるスラグ発泡体製造が実現されれば、既設微粉炭火力から排出されるフライアッシュの有効利用を大幅に拡大できるものと期待される。また、3種の高Feスラグの発泡性を評価し、スラグ中のSiO2濃度が高いほど発泡性が向上すること、SiO2濃度がほぼ一定の条件ではFe2O3濃度の増加により発泡性が向上することなどを明らかとした。また、加熱温度1100℃で水に浮くまで軽量化されるスラグを見出した。水に浮くスラグ発泡体は、軽いだけでなく吸水率も低いため、黒曜石パーライトに準じた用途への利用が期待される。

概要 (英文)

It is significant to establish new usage of slag, discharged from gasifier of integrated coal gasification combined cycle power generation system (IGCC), by adding higher value on slag. Because it will be a good help to promote the spread of IGCC technology all over Japan. In previous reports, appropriate range of chemical composition of slag for high quality artificial light-weight aggregate. But the technique is required to modify foaming characteristics of slag, whose composition is not within that appropriate range. In this report, the fact is confirmed that foaming characteristics of slag is modified by adding some particles mainly consist of fly ash from pulverized coal furnace. IGCC can change fly ash from pulverized coal boiler into useful light-weight aggregate. We added three data of foaming characteristics of unexamined slag. One of them expanded to float on the water. The ratio of absorption of this extremely light-weight expanded slag particle is as same as expanded obsidian, it is expected as substitution of expanded obsidian, used to improve soil drainage and so on.

報告書年度

2006

発行年月

2007/05

報告者

担当氏名所属

沖 裕壮

エネルギー技術研究所 燃料改質工学領域

原 三郎

エネルギー技術研究所 燃料改質工学領域

木戸口 和浩

エネルギー技術研究所 燃料改質工学領域

市川 和芳

エネルギー技術研究所 燃料改質工学領域

蔵重 勲

地球工学研究所 バックエンド研究センター

山本 武志

地球工学研究所 バックエンド研究センター

キーワード

和文英文
石炭ガス化 Coal Gasification
スラグ Slag
有効利用 Utilization
発泡現象 Foaming
フライアッシュ Fly Ash
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