電力中央研究所

報告書「電力中央研究所報告」は当研究所の研究成果を取りまとめた刊行物として、昭和28年より発行されております。 一部の報告書はPDF形式で全文をダウンロードすることができます。

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電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)

報告書データベース 詳細情報


報告書番号

NR22005

タイトル(和文)

三次元遠心振動台の開発

タイトル(英文)

Developments of Three-Dimensional Shaking Table For Centrifugal Model Test

概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)

背  景
原子力発電所の基礎岩盤および周辺斜面においては、等価線形化法による二次元動的解析を実施し、得られた応力状態を用いたすべり安全率による安定性評価が行われている。この評価法は、安全側の評価となることが知られており、より合理的な評価が可能な二次元時刻歴非線形解析手法の開発と小さな模型で地盤深部の応力状態を再現できる一次元、二次元振動台を用いた遠心力載荷模型実験による妥当性の確認が行われてきた。さらに、三次元時刻歴非線形解析への高度化も進められている。
しかし、三次元時刻歴非線形解析の妥当性確認のための三次元遠心振動台は存在しないため、妥当性の確認方法が課題となっていた。

目  的
三次元時刻歴非線形解析の妥当性の確認を可能とするため、三次元遠心振動台の開発を行うとともに、模型実験における計測方法についても検討する。

主な成果
1.三次元遠心振動台の開発
これまで搭載スペースが限られるなどの理由から開発されていなかった遠心力載荷実験装置上で加振可能な三次元振動台を小型化のためスチュアートプラットホーム型とし世界ではじめて開発した(図1、図2)。1/20縮尺模型に対して20Gの実験を実施し、実スケールにおいて1.5Hzで最大0.45G、2Hzで最大0.5Gの加振が行えることを確認した。幾つかの加振制御方法を試した結果、加速度制御に実験前に繰り返し制御を行った結果を用いた方法(オフライン繰り返し制御)が、他の方法よりも目標の加速度波形を精度よく与えられることが確認できた(図3)。

2.模型地盤を用いた遠心実験による計測方法の検討
三次元遠心振動台を用いた加振実験を実施した。また、地盤内にひずみゲージをナイロンメッシュに張り付けたものを埋め込むことにより、地盤内のひずみを計測することが可能であるとの成果を得た。

今後の展開
さらに他軸干渉を減少させるよう制御法の高度化を図り、地震波入力、より高遠心加速度下の実験を実施するとともに、数値解析との比較および変位計測方法の改善を試みる。また、正確な計測が行えるように、計測機器を取り付ける治具のたわみの影響を減少させることを検討する。

概要 (英文)

The stability of the rock foundation and surrounding slopes of nuclear power plants is evaluated by the slip safety factor using the stress state obtained from the results of equivalent linear analysis. The validity of current evaluation methods that perform two-dimensional analysis are often verified mainly comparison with the results of centrifugal experiments. Verification of the three-dimensional analysis was difficult because there was no experimental result with 3D centrifugal device.
In this study, we developed a 3D centrifugal shaking table and examined methods for measuring strain and acceleration in the ground. By improving the control method, it was possible to vibrate with a maximum of 9G at 30Hz and a maximum of 10G at 40Hz in a centrifugal field of 20G. In addition, it was possible to measure the strain, acceleration, and displacement in the ground.

報告書年度

2022

発行年月

2023/04

報告者

担当氏名所属

中村 邦彦

原子力リスク研究センター 自然外部事象研究チーム

岡田 哲実

原子力リスク研究センター 自然外部事象研究チーム

石丸 真

原子力リスク研究センター 自然外部事象研究チーム

西本 壮志

原子力リスク研究センター 自然外部事象研究チーム

田川 泰敬

東京農工大学 大学院工学研究院

岡本 峰基

木更津工業高等専門学校

キーワード

和文英文
遠心模型実験 Centrifugal model test
6自由度振動台 6-Dof shaking table
制御方法 Control system
油圧アクチュエーター Hydraulic actuator
模擬岩盤 Simulated bedrock
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