電力中央研究所

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電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)

報告書データベース 詳細情報


報告書番号

Q08032

タイトル(和文)

還元性硫化腐食における腐食挙動に及ぼす雰囲気ガス組成の影響(その2) -高腐食性領域における腐食量評価指標-

タイトル(英文)

The Influence of Gases Composition to Corrosion Behavior in Reducing Atmosphere Including H2S (vol.2)- Evaluation index of corrosion amount in the high corrosively atmosphere-

概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)

PO2とPS2が一定のもとで、H2S濃度もしくはSO2濃度が変化する雰囲気条件を設定し、各雰囲気中で実機使用材の一つであるSTBA24注の試験片に対して電気炉ガス腐食試験を実施した結果、主に硫化物が生成する領域では、H2S濃度やSO2濃度に係わらず、腐食量、皮膜構造が同等となるH2S濃度とSO2濃度の範囲が存在することがわかった。その濃度範囲は、SO2濃度が約150ppm以上、かつ、H2S濃度が約200ppm以上の範囲であり、この濃度範囲では、腐食量をPO2とPS2のみで評価出来る可能性が示唆された。また、150ppmより低いSO2濃度範囲では、SO2濃度低下に伴って、腐食量が減少するが皮膜構造は変化しない。一方、200ppmより低いH2S濃度範囲では、H2S濃度変化に伴って、腐食量が変化するとともに皮膜構造も変化することがわかった。このことから、これらの濃度範囲では、腐食量の評価指標として、H2S濃度もしくはSO2濃度が必要と考えられた。以上のことから、腐食性が高く主に硫化物が生成する領域において、H2S濃度とSO2濃度の濃度範囲毎の腐食量評価指標を明らかとすることが出来た。

概要 (英文)

In order to establish the corrosion indicator which can evaluate the corrosion amounts of low alloy steel in the reducing atmosphere including H2S, the corrosion behavior of STBA24 was investigated at 773K in the condition which either H2S concentration (CH2S) or SO2 concentration (CSO2) change keeping PO2 and PS2 were constant. As a result, in the range that CH2S was more than 150ppm and CSO2 was more than 200ppm, it was clarified that corrosion amount and scale structure were same at same PO2 and PS2 condition. So it seems that the corrosion amount in this range could be evaluated only by the correlation of PO2 and PS2. While, under the condition CSO2 was less than 150ppm, the corrosion amount was change with CSO2 changes though the scale structure was not change. Under the condition CH2S was less than 200ppm, both corrosion amount and scale structure were change with CH2S changes. Therefore, It seem that CSO2 and CH2S were necessary as corrosion indicator in this range.

報告書年度

2008

発行年月

2009/12

報告者

担当氏名所属

南島 晋

材料科学研究所 火力材料領域

森永 雅彦

エネルギー技術研究所 プラント工学領域

白井 裕三

エネルギー技術研究所 プラント工学領域

久松 暢

材料科学研究所

百合 功

材料科学研究所 火力材料領域

布川 信

エネルギー技術研究所 エネルギー変換工学領域

河瀬 誠

エネルギー技術研究所 エネルギー変換工学領域

若林 信行

エネルギー技術研究所 プラント工学領域

キーワード

和文英文
高温腐食 High Temperature Corrosion
微粉炭火力ボイラ Coal Firing Boiler
蒸発管 Water Wall Tube
還元性雰囲気 Reducing Atmosphere
硫化水素 Hydrogen Sulfide
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