電力中央研究所

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電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)

報告書データベース 詳細情報


報告書番号

T91005

タイトル(和文)

低線量放射線照射による生体機能活性-細胞膜の流動性の亢進-

タイトル(英文)

ENHANCEMENT OF BIO-FUNCTIONS BY LOW-DOSE IRRADIATION-ENHANCED CELL-MEMBRANCE FLUIDITY-

概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)

老化抑制の放射線ホルミシス効果に関する機構解明を行うため,細胞膜の流動性や膜系タンパク質であるMn-SODの活性度を指標に,低線量放射線の照射により細胞膜の機能などが,どのような影響を受けるのか検討した。さらに,老化の原因物質であり、膜構造体である脂質が過酸化を受けて生成される過酸化脂質の量と細胞膜の流動性との相関関係について検討した。その結果,以下の知見より,老化抑制は細胞膜の機能や構造の変化に伴って生じる可能性が明らかにできた。(1)25~30cGyのX線照射により生じた適量のラジカルが細胞膜を刺激し,脳細胞などの膜タンパク質の流動性を亢進する可能性が高い。(2)50CGyのX線照射により脳などのミトコンドリアの膜系タンパク質であるMn-SODの活性度が増加する。(3)脳細胞などの膜の過酸化脂質量の減少に伴い,膜タンパク質の流動性が亢進する可能性が高い。

概要 (英文)

WE EXAMINED THE CHANGED IN MENBRANE FLUIDITIES,SOD ACTIVITIES AND LIPID PEROXIDES CAUSED BY LOW-DOSE WHOLE-BODY X-RAY IRRADIATION TO CLARIFY THE MECHANISM OF RADIATION HORMESIS. THE RESULTS ARE AS FOLLOWS: (1)MEMBRANE PROTEIN FLUIDITIES OF BRAIN AND SPLEEN CELLS IN RATS IRRADIATED AT 25 50 CGY WERE ENHANCED IN COMPARISON TO THOSE OF NON-IRRADIATED CONTROLS. (2)THE ACTIVITY OF MN-SOD,A MITOCHONDRIA MEMBRANE PROTEIN,INCREASED AT 50CGY IRRADIATION. (3)DECREASED LIPID PEROXIDE LEVELS ENHANCED MEMBRANE PROTEIN FLUIDITIES. THESE PHENOMENA SUGGEST THAT ENCHANCED MEMBRANCE FUNCTIONS ARE CAUSED BY LOW-DOSE X-RAY IRRADIATION.

報告書年度

1991

発行年月

1991/11/01

報告者

担当氏名所属

山岡 聖典

狛江研究所原子力部安全管理研究室

石井 敬一郎

狛江研究所原子力部安全管理研究室

キーワード

和文英文
放射線ホルミシス RADIATION HORMESIS
低線量照射 LOW-DOSE IRRADIATION
膜流動性 MEMBRANE FLUIDITY
Mn-SOD活性 MN-SOD ACTIVITY
過酸化膜質量 LIPID PEROXIDE LEVEL
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