電力中央研究所

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電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)

報告書データベース 詳細情報


報告書番号

V04020

タイトル(和文)

北太平洋における海洋鉄散布による生物的炭素固定量の評価

タイトル(英文)

Biological carbon fixation during iron enrichment experiments in the subarctic north Pacific

概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)

北太平洋亜寒帯域において海洋鉄散布による炭素固定量および海洋深層での酸素消費量を評価した。鉄散布による植物プランクトンの最大増殖時には2.8-13 g m-2の炭素が固定され,このうち20-30%に当たる0.54-2.6 g m-2が最終的な炭素固定量として見積もられた。鉄1 kg当たりの炭素固定量は0.075-0.59トンであり,実験により炭素固定量には大きな違いが見られた。一方,下層への有機物移送量の増加から予想される酸素消費量は,現場の溶存酸素濃度を大きく変化させるほどではないと推定された。本研究における評価結果は短期間の実験に基づくものであり,長期にわたる鉄散布をおこなう場合は,局所的な現場海域だけでなく,地球規模での炭素固定量および酸素消費量を評価する必要があると考える。

概要 (英文)

The amount of carbon fixation and increase in oxygen consumption by the ocean iron fertilization were estimated in subarctic north Pacific. Maximum organic carbon accumulations of 2.8-13 g m-2 were induced by the iron infusion, and 0.54-2.6 g m-2 of the carbon were eventually fixed into the ocean. The amount of fixed carbon per 1 kg of iron was estimated to be 0.075-0.59 t C. Large differences in the efficiency of carbon fixation by the ocean iron fertilization were observed. The amount of oxygen consumption by the accelerated carbon export into the ocean interior was estimated not to induce a significant change in the ambient concentrations of dissolved oxygen. As these estimates were based on the results of short-term experiments, effects of long-term iron fertilization on not only local but also global ocean environment should be estimated.

報告書年度

2004

発行年月

2005/06

報告者

担当氏名所属

芳村 毅

環境科学研究所陸・水環境領域

西岡 純

環境科学研究所陸・水環境領域

津旨 大輔

環境科学研究所陸・水環境領域

キーワード

和文英文
鉄散布 Iron fertilization
植物プランクトン Phytoplankton
二酸化炭素 CO2
炭素循環 carbon cycling
北太平洋亜寒帯域 Subarctic North Pacific Ocean
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