電力中央研究所

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電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)

報告書データベース 詳細情報


報告書番号

Y11015

タイトル(和文)

新築住宅市場における省エネルギー・断熱技術の採用率や満足度

タイトル(英文)

Adoption rate and satisfaction level of energy-efficient technologies and insulation property

概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)

省エネ対策や温暖化対策の観点から、新築住宅における省エネ・断熱技術の採用率向上に期待が寄せられている。それらの普及は、住宅の建て方や販売形態、居住者の評価によっても左右されるが、実態はあまり明らかにされていない。そこで、全国の2010年に新築された住宅の居住者(約4,300名)を対象に、エネルギー機器等の採用状況、断熱性能や暖房利用の実態、および居住者によるそれらへの満足度等に関するアンケート調査を実施し、以下の点を明らかにした。
(1)給湯器の採用率は、ガス従来型が44%と最も多く、電気省エネ型28%、ガス省エネ型18%と続く。省エネ型採用率は、電気式が多い戸建注文で7割に達するが、戸建建売や集合分譲では5割程度にとどまり、ガス式が主流の集合賃貸では2割に満たない。既往温暖化対策シナリオで掲げられているような2020年における全ての新築住宅での省エネ型採用に向けては、建売住宅や集合住宅における採用率向上が課題となる。
(2)居間で主に利用される暖房機器の内訳としては、エアコン(50%)が最も多く、電気ヒーター(17%)、各種床暖房(14%)が続く。住宅ストック平均と比べると、エアコン暖房の増加と石油暖房の減少が顕著である。ただし、エアコン以外にも、例えば床暖房や電気ヒーターといった多種多様な暖房形態も残っている。
(3)物件選びの際の断熱性能の重視度は、戸建注文より戸建建売、また、集合分譲より集合賃貸で顕著に低い。居住後の印象は、戸建注文と集合分譲では比較的良好だが、戸建建売、さらに集合賃貸では評価が相対的に低い。
(4)採用仕様に対する満足度は総じて高く、特にオール電化住宅や太陽光発電の採用者からの評価は高かった。

概要 (英文)

Many energy scenarios assume the rapid increase in the rate of adoption of energy-efficient (EE) technologies and significant improvement in insulation measures in the housing market. However, the influence of market segmentation characteristics and consumers' attitude on the adoption rate remains unclear. We conduct a questionnaire survey of about 4000 residents living in houses built in 2010. The result shows that the rate of adoption of EE technologies is still low among houses already build for sale and rented houses. Although diverse heating appliances are in use, heat-pump air-conditioners are the most commonly used devices for space heating. The satisfaction level regarding insulation performance is relatively high in the case of custom-made house and dwelling houses for sale, while that in the case of rented houses is not very high.

報告書年度

2011

発行年月

2012/03

報告者

担当氏名所属

西尾 健一郎

社会経済研究所 エネルギー技術政策領域

大藤建太

会津大学

キーワード

和文英文
省エネルギー Energy Efficiency
温暖化政策 Climate Change Policy
家庭部門 Residential Sector
給湯器 Water Heater
暖房 Space-heating
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