電力中央研究所

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電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)

報告書データベース 詳細情報


報告書番号

Y96008

タイトル(和文)

送電網へのエッセンシャル・ファシリティの法理の適用

タイトル(英文)

APPLICATION OF ESSENTIAL FACILITY DOCTRINE TO TRANSMISSION GRID

概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)

米国におけるエッセンシャル・ファシリティの法理の考え方について,電力会社の送電網へのアクセスに関してどのような形で適用されているかという点につき,裁判例をもとに整理した。その結果1)電力会社が保有する送電網は発電市場や小売り市場における競争にとって必要不可欠であり,代替物も存在しないので,エッセンシャル・ファシリティであると見ることができる。2)エッセンシャル・ファシリティの利用拒絶が違法であると判断されるのは,拒絶の目的が市場支配力の維持・拡大の意図を持っており,正当な理由がない場合に限定される。従って,送電線の容量に余裕がない場合,電力会社が利用している容量を削減したり,送電線の増設を行うことで,競争者のための容量を確保することはエッセンシャル・ファシリティの法理による義務の範囲外であるし,利用に際しての技術的要件を満たしていない場合なども利用を拒絶できる。ことが明らかになった。

概要 (英文)

RECENTLY, COUNTRIES AIMING AT DEREGURATION OF THE ELECTRICITY SUPPLY INDUSTRY HAVE TENDED TO CHOOSE OPEN-ACCESS MODELS ALLOWING CUSTOMERS THE FREEDOM TO SELECT SUPPLIERS. HOWEVER THERE ARE MANY PROBLEMS TO SOLVE BEFORE JAPAN CAN ADOPT THESE MODELS. THE ESSENTIAL FACILITY DOCTRINE PLAYS AN IMPORTANT ROLE IN OPEN-ACCESS MODELS. ACCORDING TO THIS DOCTRINE, IF A FACILITY IS ESSENTIAL FOR MARKET COMPETITION AND IF IT IS NOT REASONABLE TO BUILD ANOTHER FACILITY, THE OWNEROF THE FACILITY MUST SHARE IT WITH COMPETITORS. THIS INVESTIGATES OPENACCESS TO THE TRANSMISSION GRID FROM THE VIEWPOINT OF THE ESSENTIAL FACILITY DOCTRINE, TAKING ACCOUNT OF DEBATES IN THE USA. THE RESULTS ARE:(1) THE TRANSMISSION GRID IS ESSENTIAL FOR GENERATION AND RETAIL-MARKET COMPETITION, AND GENERALLY, IT IS NOT ECONOMICALLY REASONABLE TO BUILD ANOTHER GRID. THUS, PURSUANT TO THE ESSENTIAL FACILITY DOCTRIE, THE TRANSMISSION GRID IS AN ESSENTIAL FACILITY. (2) GENERALLY, IT IS NECESSARY FOR UTILITIES OWING THE TRANSMISSION GRID TO SHARE IT WITH THIRD PARTIES. HOWEVER, IF THERE IS NOSPARE CAPACITY TO SHARE, OR IF UTILITIES CAN T RECOVER THEIR COSTS, THEY MAY NOT HAVE TO SHARE THE GRID.

報告書年度

1996

発行年月

1997/06

報告者

担当氏名所属

丸山 真弘

経済社会研究所経営グループ

キーワード

和文英文
経済法 ANTITRUST LOW
オープン・アクセス OPEN ACCESS
エッセンシャル・ファシリティ ESSENTIAL FACILITY
米国 USA
日本 JAPAN
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