財団法人 電力中央研究所

電力中央研究所 研究報告書(電力中央研究所報告)
[CRIEPI Research Report]

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研究報告書 詳細情報
[Detailed Information]

報告書番号 [Report Number]
C17016
タイトル
電力需要ポートフォリオの作成手法に関する基礎検討−アグリゲーターポートフォリオ作成への適用−
[Title]
A design method for electric power demand portfolio and its basic investigation-Application to design of aggregator portfolio-
概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)
背 景
電力の小売全面自由化の進展に伴い、需要家の需要抑制量(ネガワット)等を束ねて販売する、エネルギーリソースアグリゲーションと呼ばれる事業が、新規ビジネスとして注目されている。本事業においては、需要家の使用電力が日々変化するため、ネガワットの販売量もばらつく可能性がある。このばらつきを抑えるため、ネガワット購入者(小売電気事業者等)は、所望の調達量にできるだけ合致するように、複数のアグリゲーター1)を適切に組み合わせて、ネガワットを調達することが考えられる(図1)。一方、株式の分野では、複数の銘柄を組み合わせて投資することで将来の株価変動に伴うリスクを小さくする、ポートフォリオ理論がすでに知られている。また、このリスクの予測精度を向上させるため、ランダム行列理論2)を用いた統計処理手法が提案されている。

目 的
株式投資におけるポートフォリオ理論をアグリゲーターの組み合わせに適用する方法を提案し、その評価を行なう。

主な成果
1. 電力需要ポートフォリオの作成方法の提案
株式投資におけるポートフォリオ理論をもとに、各時刻3)のネガワットの総和を所望の調達量にできるだけ一致させて、なおかつ調達量に対する変動幅(分散)がなるべく
小さくなるようなアグリゲーターの組み合わせ(電力需要ポートフォリオ4))を作成する方法を提案した(図2)。本方法は、以下の特長を持つ。
1) 株式ポートフォリオとは異なり、複数時点の分散を同時に考慮してポートフォリオを作成できる。
2) 相関行列5)に対して、ランダム行列理論にもとづくノイズ除去手法を適用することで、ポートフォリオの予測精度を向上させることができる。

2. 実データを用いた提案方法の基礎評価
上記の方法で作成したポートフォリオを用いることで、ネガワットの総和の分散が抑制されることを確認するため、実際の電力使用量データを用いて小規模な数値実験を行
なった6)。実験の結果、特定のアグリゲーターから重点的にネガワットを調達するなど、ポートフォリオを適切に設定することで、ネガワットの総和の分散を最小化できた。ま
た、相関行列にノイズ除去を適用することで、ネガワットの総和の分散の予測値7)が実績値により近くなり、ポートフォリオの予測安定性が向上することを確認した(図3)。

今後の展開
より多くの電力使用量データを用いて、提案方法の有効性を検証し、最適なポートフォリオ作成方法を確立する。また、今回提案した基礎理論を拡張し、アグリゲーターが需要家1 軒1 軒を組み合わせるための、ポートフォリオの作成手法を構築する。
[Abstract]
This report proposes a design method for electric power demand portfolio in the electric aggregation. In this method, theportfolio means a set of supply rates among negawatt power from multiple aggregators to an electric retailer. The portfolio isdetermined by minimizing the variance of gross supply under the condition that the gross supply almost equals the retailer'ssuggested purchase amount in each hour. Random matrix theory is also applied for cleaning correlation matrices which are calculated from time series of suppliable negawatt power of aggregators and are used for obtaining the variance. By applyingthe proposed method to public data of home electricity usage, prediction stability of the portfolio is compared with and withoutcleaning of the correlation matrices.
報告書年度 [Report's Fiscal Year]
2017
発行年月 [Issued Year / Month]
2018/06
報告者 [Author]

担当

氏名

所属

鶴見 剛也

エネルギーイノベーション創発センター デジタルトランスフォーメーションユニット

所 健一

エネルギーイノベーション創発センター デジタルトランスフォーメーションユニット

キーワード [Keywords]
和文 英文
電力アグリゲーション Electric aggregation
電力需要推定 Power demand estimation
ポートフォリオ理論 Portfolio theory
ランダム行列理論 Random matrix theory
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