財団法人 電力中央研究所

電力中央研究所 研究報告書(電力中央研究所報告)
[CRIEPI Research Report]

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研究報告書 詳細情報
[Detailed Information]

報告書番号 [Report Number]
C20002
タイトル
熱力学的分析に基づく高温ヒートポンプサイクルの設計指針―冷媒および高効率化技術の選択に向けた一提案―
[Title]
Design guide of high temperature heat pump cycle based on thermodynamic analysis - A proposal for refrigerant and higher efficiency technology selection -
概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)
背  景
産業部門の脱炭素化に向けた取り組みのひとつとして、産業用加熱工程への高温ヒートポンプの適用が注目されている。また、低GWP注1)化を目的とした新冷媒の開発によって、高温ヒートポンプに適用可能な冷媒の選択肢が拡大してきている[1] [2]。
目  的
高温ヒートポンプの開発に際し、現在市場で入手可能な冷媒の中から適切な冷媒および高効率化技術を選択するための設計指針を示す。
主な成果
1. 冷媒選択に関する熱力学的分析
単純ヒートポンプサイクル注2)について、従来冷媒(HFC)、新冷媒(HCFO / HFO)、自然冷媒の純冷媒を対象として、供給温度が60°Cから200°Cまでの範囲で冷媒選択に関する熱力学的分析を行った。省エネ性や経済性の面から制約条件を設け、各々の冷媒について好適な作動領域を求めることによって包括的な分析ができるようにした(図1)。
新冷媒の開発によって作動領域が拡大していることや熱力学的性能面では自然冷媒でも幅広い作動領域があることがわかった(図2)。
冷媒の安全性や環境性を考慮した場合について、供給温度ごとに有望な冷媒と温度リフト注3)の上限が判断できるマップを示した(図3)。
2. 高効率化技術を適用した場合の性能向上
各々の冷媒について、内部熱交換器、膨張機、エコノマイザ付き二段圧縮の3つの高効率化技術によるCOP注4)とVHC注5)の向上効果を分析した。
内部熱交換器:R717(アンモニア)とR718(水)以外の冷媒についてはCOPとVHCともに向上。逆に、R717とR718ではどちらも低下。
膨張機:すべての冷媒でCOPが向上。ただし、R718ではその効果は極めて小さい。
二段圧縮:すべての冷媒でCOPが向上。ただし、R717についてはその効果は比較的小さい。VHCは冷媒や温度によって効果に違いが生じる。
また、内部熱交換器およびエコノマイザ付き二段圧縮サイクルを搭載し高効率化すると、単純ヒートポンプサイクルから温度リフトが約10 K拡大することがわかった(図4)。

注1)地球温暖化係数。冷媒が大気中に放出された際の冷媒自身の温室効果を表す。
注2)圧縮機・凝縮器・膨張弁・蒸発器の4つの基本要素のみで構成されるヒートポンプサイクル。
注3)ヒートポンプ供給温度と熱源入口温度の差として定義され、ヒートポンプがくみ上げる温度差を表す。
注4)成績係数。圧縮仕事量に対する加熱量として定義され、エネルギー効率を表し、運転費用に影響を与える。
注5)体積能力。圧縮機の吸込比体積当たりの加熱量として定義され、機器の大きさや機器費用に影響を与える。
[Abstract]
Heat pump is recognized as one of the key technologies for decarbonization in industry. Recently, some high temperature heat pumps which can supply hot water, hot air and steam have been developed in Japan, and now the developments are getting popular in the world. In the meantime, some new refrigerants have been developed for the purpose of reducing the global warming potential. It is expected that these new refrigerants can make both of heat pump supply temperature and efficiency higher. Accordingly, the choice of refrigerants applicable to high temperature heat pumps is expanding.
This study focuses on a thermodynamic analysis for refrigerant and higher technology selection of high temperature heat pump cycles. First, the characteristics of refrigerants applicable to high temperature heat pumps are categorized to analyze heat pump cycles. Then, as a target of the simple heat pump cycle (composed of compressor, condenser, throttling valve and evaporator), refrigerant selection in the wide range of the heat pump supply temperature from 60C to 200C are analyzed thermodynamically for 16 pure refrigerants currently available on the market. As the results, shown is a map which can determine the promising refrigerant and the upper limit of temperature lift for each supply temperature. Finally, 3 higher efficiency technologies of internal heat exchanger, expander and two-stage compression with economizer are analyzed and the effects are shown on the map.
報告書年度 [Report's Fiscal Year]
2020
発行年月 [Issued Year / Month]
2020/08
報告者 [Author]

担当

氏名

所属

甲斐田 武延

エネルギーイノベーション創発センター カスタマーサービスユニット

キーワード [Keywords]
和文 英文
高温ヒートポンプサイクル High temperature heat pump cycle
冷媒 Refrigerant
高効率化 Higher efficiency
熱力学的分析 Thermodynamic analysis
産業電化 Electrification in Industry
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