財団法人 電力中央研究所

電力中央研究所 研究報告書(電力中央研究所報告)
[CRIEPI Research Report]

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研究報告書 詳細情報
[Detailed Information]

報告書番号 [Report Number]
C20011
タイトル
電力需要ポートフォリオの作成方法の改良に関する検討−デマンドレスポンス参加の公平性を考慮したネガワット調達方法の提案−
[Title]
Improvement of design method for electric power demand portfolio-Proposition of a method to procure negawatt from customers considering fairness of number of participation in demand response-
概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)
背  景
昨今、需要家のネガワットを束ねて電力量を制御するリソースアグリゲーター(RA)の役割が、再生可能エネルギーの普及等に伴う不確実性を抑える上でも重要となっている。そこで当所では、RAが需要家からネガワットを調達する際、デマンドレスポンス(DR)を要請する需要家の効果的な組合せ(電力需要ポートフォリオ)の作成方法を提案した[1]。しかし、既提案方法は、需要家間のDR参加日数の偏りは考慮していない。これを解決するためには、需要家のDR参加日数を均等化する等の配慮が必要となる(図1)。
目  的
既提案の電力需要ポートフォリオ作成方法を、需要家の視点も踏まえDR参加日数を均等化できるように改良する。また、改良した方法を実需要データに適用し、基礎特性を明らかにする。
主な成果
1. DR参加日数を均等化するためのDR要請ルールの考案
DR参加日数1)でDR要請が制御できるように、下記3通りのルールを考案した。
・ルール1:至近D日間の全ての日でDRに参加した需要家にはDRを要請しない。
・ルール2:DR参加の累積日数が上限L日に到達している需要家にはDRを要請しない。
・ルール3:DR参加の累積日数が上位q%に入る需要家にはDRを要請しない。
各DR要請ルールの厳しさは、制御パラメータ(D, L, q)の値で定める。
2. 実データを用いた数値実験
今回考案したDR要請ルールが、需要家のDR参加日数、およびネガワット和のばらつきに与える影響を調べるため、実際の電力使用量データ2)を用いて数値実験を行なった3)。各ルールの厳しさを変えた実験で、以下が分かった(図2, 3)。
・各ルールとも制約を厳しくすることで、DR参加日数の上位20%のVaR4)が減り、高頻度にDR参加する需要家が減少した(図2の点線囲部)。一方、下位20%のVaRは「1日」以下にとどまり、DRに参加しない需要家も相当数残る。
・ルール1とルール2のDR参加回数の上限が一致する制御パラメータで結果を比較すると、ネガワット和のばらつき(図3)は同程度だが、ルール1の方が、高頻度にDR参加する需要家の数をより強く抑制している。
・需要家全体の参加日数を考慮するルール3は、他の2ルールよりも、高頻度にDR参加する需要家の数をより強く抑制する一方、ネガワット和のばらつきも大きい。

注1) 一般に、RAからDRを要請された需要家が必ずDRに参加するとは限らないが、本研究では簡単のため、要請された需要家は必ず参加するものと仮定している。
2) 「エネマネオープンデータ」(https://www.ems-opendata.jp)の電力使用量データ(1時間値)を用いた。
3) 566軒の需要家からランダムに40軒の需要家候補を抽出することを、200回繰り返した。それぞれの抽出サンプルに対して、DR実施期間(30日間)の各日について、一日を4つの時間帯に区分(8時〜10時、以降3時間毎)して、DR実施を模擬する実験を行なった。
4) 「上位α %(もしくは下位α %)のVaR (Value at Risk)」とは、あるデータについて、上位(もしくは下位)α %の範囲にあるサンプルの最小値(もしくは最大値)のことを、それぞれ表わす。

関連報告書:
[1] C18005「電力需要ポートフォリオの作成手法に関する基礎検討 −リソースアグリゲーターがネガワットを効果的に調達する方法の提案−」(2019.05)
[Abstract]
In this report, we improve our developed design method for combination of customers requested demand response (DR) by a resource aggregator (RA), named as "customer portfolio". Considering fairness of number of each customer's participation in DR, we propose the following three types of DR request rules which prohibit RA from requesting DR from only specific customers too many times. Rule 1: RA should not request DR from customers who participated in DR every day in recent D days. Rule 2: RA should not request DR from customers whose cumulative numbers of days of participation in DR have already reached an upper limit L. Rule 3: RA should not request DR from top q% customers with the highest cumulative numbers of days of participation in DR. Following one of the proposed rules, RA determines the portfolio for each DR event by minimizing the procurement risk of the total negawatt caused by its variation. As the risk measure, conditional value at risk (CVaR) is used, and the risk minimization is performed under the condition that the total negawatt almost equals the amount the RA wants to procure. The improved method is also applied to customer power-usage data to investigate the impact of the selection constraints of customers caused by the proposed rules on the prediction accuracy about the total negawatt procured by RA.
報告書年度 [Report's Fiscal Year]
2020
発行年月 [Issued Year / Month]
2021/04
報告者 [Author]

担当

氏名

所属

鶴見 剛也

エネルギーイノベーション創発センター デジタルトランスフォーメーションユニット

所 健一

エネルギーイノベーション創発センター デジタルトランスフォーメーションユニット

キーワード [Keywords]
和文 英文
リソースアグリゲーション Resource aggregation
デマンドレスポンス Demand response
公平性 Fairness
ポートフォリオ理論 Portfolio theory
整数計画法 Integer programming
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