財団法人 電力中央研究所

電力中央研究所 研究報告書(電力中央研究所報告)
[CRIEPI Research Report]

研究報告書「電力中央研究所報告」は当研究所の研究成果を取りまとめた刊行物として、昭和28年より発行されております。 一部の研究報告書はPDF形式で全文をダウンロードすることができます。 ダウンロードの際には、当サイトの利用規約を遵守の上ご利用ください。

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研究報告書 詳細情報
[Detailed Information]

報告書番号 [Report Number]
C20012
タイトル
多様な暖房環境を模擬可能な温熱快適性試験室の開発 その2 サーマルマネキンを用いた熱放射環境と空気環境の評価
[Title]
Development of a comfort test room that can simulate various thermal environments during heating Part2 : Evaluation of the thermal radiant environment and airflow environment using a thermal mannequin
概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)
背  景
住宅分野では、エネルギー使用量の3割を占める暖房の省エネが重要である。ただし、省エネと生活者が感じる温熱快適性への配慮を両立させることが不可欠である。このため、エアコンなどの暖房環境を実際に近い形で模擬し、その温熱快適性を被験者試験など科学的な方法で適切に評価したうえで、省エネ方策を講じる必要がある。そこで、前報で、不満の原因とされる空気の上下温度ムラや、窓や周壁温度の不均一性を評価可能な試験室を構築し、空気環境を評価したが、熱放射環境の形成までには至っていない[1]。
目  的
既設の試験室を増強・改修し、被験者に見立てたサーマルマネキン(マネキン)注1)を用いた熱放射環境と空気環境の形成実験を行う。さらに、 CFD シミュレーション注2)による実験の再現とマネキンが受ける熱影響の評価を行う。
主な成果
不均一な熱放射環境を形成可能とするため、専用放射パネルを設計・作成し、試験室に設置した(図1)。この中にマネキン(図2)を置き、5ケースの異なる環境の形成実験を行い注3)(表1)、各ケースの熱放射環境、空気環境およびマネキン放熱量等を測定した。併せて、各ケースのCFDシミュレーション(以降CFD)を実施し、実測結果の再現とマネキンが受ける熱影響の評価を行った。主な結果は以下のとおり。
試験室の空気環境、空気温度と気流速度の分布の実測値はCFDの結果(図3)とよく一致した。また、各ケースのマネキン放熱量の実測値もCFDの結果とよく一致した(図4)。さらに、ケースごとの放熱量に占める放射と対流の放熱量の割合(CFDの結果)も表1の熱放射環境と空気環境の設定意図注4) とよく一致した。これらから、CFDで温熱環境とマネキン放熱状況を適切に再現可能と判断した。
マネキン表面の放射と対流による放熱量の分布(CFDの結果)を可視化し、部位ごとに周囲の温熱環境からどのような熱的影響を受けているかを評価可能であることを示した。例えば、温度の高い放射パネルと低いパネルのマネキンに対する配置が上下逆転するような場合(表1のcase4と5の比較)、両者の放熱量はほぼ同じにもかかわらず(図4)、マネキンが放射パネルから影響を受ける部位も上下逆転する(図5)。
以上から、試験室での熱放射環境と空気環境を独立的に制御、人体部位別の放熱量把握が可能になり、多様な暖房環境での快適性評価実現に向けた基礎実験環境が整った。

注1:体内に内蔵するヒータ とマイコンにより部位別に皮膚表面温度を制御し、人体の発熱を模擬する装置。本報告では、放熱の扱いを簡単にするため裸体(着衣なし)とし、皮膚表面温度を32℃に維持するよう制御した。
注2:当所開発の住宅用室内温熱環境設計ツールCADIEE-Airflow(例えば、電中研研究報告R14005)。
注3:マネキンの放熱量に明確な差を生じさせるため、敢えて極端な温熱環境も含める設定とした。
注4:例として、case1は「対流による放熱」>「放射による放熱」の条件になるよう意図して設定し、case2はその逆(「対流による放熱」<「放射による放熱」)になるよう意図して設定した。
[Abstract]
The test room constructed in the previous paper was renovated, and experiments were conducted to form thermal radiation and airflow environments using thermal mannequins as test subjects. In addition, CFD simulations were used to reproduce the experiments and evaluate the thermal effects on the mannequins. As a result, the measured values of the test room agreed well with the CFD simulation results, and it was found that the CFD simulation could reproduce the thermal environment in the test room and the heat dissipation from the mannequin appropriately. Furthermore, we visualized the distribution of heat dissipation by radiation and convection on the surface of the mannequin, and showed that it is possible to evaluate the thermal influence of the surrounding thermal environment on each part of the mannequin.
With the above results, we have established a basic experimental environment for comfort evaluation in various heating environments using this test room.
報告書年度 [Report's Fiscal Year]
2020
発行年月 [Issued Year / Month]
2021/06
報告者 [Author]

担当

氏名

所属

宮永 俊之

エネルギーイノベーション創発センター カスタマーサービスユニット

上野 剛

エネルギーイノベーション創発センター カスタマーサービスユニット

岩松 俊哉

エネルギーイノベーション創発センター カスタマーサービスユニット

安田 昇平

エネルギーイノベーション創発センター カスタマーサービスユニット

キーワード [Keywords]
和文 英文
暖房環境 Thermal environment during heating
熱放射環境 Thermal radiation environment
空気環境 Airflow environment
サーマルマネキン Thermal mannequin
CFD Computational Fluid Dynamics
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