財団法人 電力中央研究所

電力中央研究所 研究報告書(電力中央研究所報告)
[CRIEPI Research Report]

研究報告書「電力中央研究所報告」は当研究所の研究成果を取りまとめた刊行物として、昭和28年より発行されております。 一部の研究報告書はPDF形式で全文をダウンロードすることができます。 ダウンロードの際には、当サイトの利用規約を遵守の上ご利用ください。

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研究報告書 詳細情報
[Detailed Information]

報告書番号 [Report Number]
H16002
タイトル
低圧電子式電力量計の耐雷性能に関する検討−配電線雷撃時に電力量計に内蔵された線間バリスタを通過する雷電流の電荷量評価−
[Title]
Study on Lightning Performance of Low Voltage Electronic WattHour Meter -Evaluation of Charge Amount of Lightning Current Flowing through Line Varistor of Electronic Watt Hour Meter by Direct Lightning Strikes to Distribution Lines-
概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)
背景
近年 配電系統へのスマートメータの導入が進められている。スマートメータは内部に電子回路が高密度で実装されるため 雷サージ等の外乱に対する脆弱性が懸念される。このため 当所では スマートメータの計量部と同等の機能を有する電子式電力量計を用いて雷による故障様相の検討を行い 電力量計の線間に取付けられている線間バリスタを通過する雷電流のエネルギーが故障要因の一つとなることを明らかにしてきた(注1)。効果的な雷害対策の検討のためには 配電線路の構成が 電子式電力量計の線間バリスタを通過する雷電流の電荷量に与える影響を明らかにする必要がある。
目的
配電線路の構成が 電子式電力量計の線間バリスタを通過する雷電流の電荷量に与える影響を配電線直撃雷試験および雷サージ解析の両面から明らかにする。
主な成果
1.試験配電線を用いた直撃雷試験による線間バリスタ通過電荷量の基礎特性の評価
当所塩原実験場の12 MVインパルス電圧発生装置および試験配電線 需要家設備模擬回路を用いた直撃雷試験(図1)により 電子式電力量計模擬回路の線間バリスタを通過する電荷量(注2)に関する基礎データを取得した。この結果 主に以下のことが明らかとなった。
・柱上変圧器が施設された柱に雷が直撃した場合 柱上変圧器から直接引込まれる電力量計の線間バリスタを通過する電荷量は小さいのに対し 低圧配電線が中間接地された柱から引込まれる電力量計の線間バリスタを通過する電荷量は大きくなる(図2(a))。
・需要家設備の屋内配線長が長い場合や サービスブレーカが開放され電力量計のみが配電線に接続された場合には 電力量計の線間バリスタを通過する電荷量が増加する(図2(a))。また 低圧配電線に接続される需要家設備の軒数の増加により雷電流の分流経路が増えると 電力量計の線間バリスタを通過する電荷量が減少する(図2(b))。
2.XTAP(注3)を用いた雷サージ解析による定量的評価
配電線路構成が与える影響をより詳細に評価するためには 雷サージ解析により 線路構成や雷撃箇所を変更した検討を行うことが有効である。このため 直撃雷試験の結果を基に XTAP上に配電線の雷サージ解析モデルを構築し 異なる雷撃箇所に対する電力量計の線間バリスタを通過する電荷量を評価した。この結果 低圧配電線末端の電力量計ほど線間バリスタを通過する電荷量が大きくなることが分かった(図3)。
(注1) 過去の検討では 機器またはソフトウェアの損傷等による機能の喪失を故障と定義している。関連報告書:電力中央研究所報告 研究報告 H10001 (2010) H14009 (2015) H15003 (2016)
(注2) 実際の電力量計では 線間バリスタ通過電流を測定することが困難であったため 試験ではバリスタ(バリスタ電圧V1mA=470 V)により電子式電力量計模擬回路を構成し 線間バリスタ通過電流を測定した。
(注3) 電力系統瞬時値解析プログラムeXpandable Transient Analysis Programの略。関連報告書:電力中央研究所報告 研究報告 H06002 (2007)他
[Abstract]
Recently, the introduction of smart meters to power distribution system has been accelerating. Since the smart meters consist of low voltage electronic devices, they are considered to be vulnerable to disturbances such as lightning surges. In the previous reports, we had pointed out that the smart meters may fail due to energy of lightning current flowing through varistors installed between each phase of the smart meters. In this report, we clarified that charge amount of lightning current flowing through the line varistor of the smart meter when lightning strikes distribution lines directly. The main results are shown below.
(1) The lightning current hardly flows through the line varistor of the smart meter directly connected to pole mounted transformer by lead in wire. On the other hands, the charge amount of lightning current flowing through line varistor of smart meter become larger towards the end of low voltage distribution lines.
(2) As the length of indoor wire of customer load becomes shorter, the charge amount of lightning current flowing through the line varistor of the smart meter decreases. In addition, as the number of consumer loads increases, the charge amount of lightning current flowing through the line varistor of the smart meters also decrease.
報告書年度 [Report's Fiscal Year]
2016
発行年月 [Issued Year / Month]
2017/04
報告者 [Author]

担当

氏名

所属

石本 和之

電力技術研究所 雷・電磁環境領域

森 亮太

電力技術研究所 雷・電磁環境領域

浅川 聡

電力技術研究所 塩原実験場

キーワード [Keywords]
和文 英文
配電線 Distribution lines
スマートメータ Smart meter
雷害対策 Lightning protection measures
電荷量 Charge amount
バリスタ Metal oxide varistor
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