財団法人 電力中央研究所

電力中央研究所 研究報告書(電力中央研究所報告)
[CRIEPI Research Report]

研究報告書「電力中央研究所報告」は当研究所の研究成果を取りまとめた刊行物として、昭和28年より発行されております。 一部の研究報告書はPDF形式で全文をダウンロードすることができます。 ダウンロードの際には、当サイトの利用規約を遵守の上ご利用ください。

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研究報告書 詳細情報
[Detailed Information]

報告書番号 [Report Number]
H18003
タイトル
変圧器周波数応答解析(FRA)診断における測定の再現性に関する検討−異なる測定システムを用いた場合の影響−
[Title]
Investigation on Repeatability of Measurements in Frequency Response Analysis of Power Transformers - Influence of Employing Different Measuring Systems -
概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)
背 景
変圧器の巻線異常を外部から検出する手法として,周波数応答解析(FRA)が注目されている。FRAは巻線異常がない時に測定しておいた伝達関数注1)と診断時に測定した伝達関数を比較し,その一致度から巻線異常を診断する。このためFRAでは,伝達関数測定の再現性注2)が重要である。特に,変圧器の寿命に比べて伝達関数測定システム注3)の寿命は短いことから注4),異なる測定システムを用いることが測定の再現性に与える影響を客観的に評価する必要がある。これには異なる測定システムで測定した伝達関数の一致度を数値指標で定量的に評価するのがよい。しかし,伝達関数の測定周波数刻みは測定システムにより異なり,測定周波数刻みを手動で変更してこれを一致させることは一般に難しいため,この場合の数値指標計算手法およびそれを実装したソフトウェアを開発する必要がある。
目 的
測定周波数刻みが異なる伝達関数を比較して伝達関数一致度を示す数値指標の計算ソフトウェアを開発する。さらに,開発ソフトウェアを用いて,測定システムの相違が測定の再現性に与える影響を定量的に評価する。
主な成果
1. 測定周波数刻みが異なる伝達関数を比較して数値指標を計算する手法の開発
区分線形補間法と3次スプライン補間法注5)を組み合わせ,測定周波数刻みが異なる場合に数値指標を計算するソフトウェアを開発した。開発ソフトウェアは,伝達関数の測定周波数刻みが異なる場合にも,簡便に実用上十分な精度でこれらを比較して数値指標を計算することができる。
2. 測定システムの相違が伝達関数測定の再現性に与える影響の定量的評価
複数の測定システムで変圧器の伝達関数を測定した。これらの伝達関数は測定周波数刻みが一致していないので,開発ソフトウェアを用いて伝達関数の一致度を評価した。その結果,測定装置の相違による測定の再現性)の低下は実用上問題ないことを示した。また,ケーブル接続法の相違による測定の再現性の低下は診断に影響するほど大きいことを示した。国際規格IEC60076-18:2012では,測定ケーブル接続法として1つの推奨法と2つの代替法を示している。過去に代替法によりケーブルを接続して測定した参照データとの比較により診断を行う際は,同じ代替法によりケーブルを接続して測定することが上記検討結果から推奨される。
注1) 変圧器に対する電気的信号の入出力の商(例:電圧比)を数十Hz〜数MHz間である測定周波数刻みで測定して伝達関数とする。
注2) 巻線に異常がなければ,変圧器の運用期間中に複数回測定した伝達関数が一致することを測定の再現性という。
注3) 測定システムは,測定装置と測定ケーブルから構成される。
注4) 変圧器設置初期と変圧器寿命間際の測定には異なる測定システムを用いることになると想定される。
注5) 最もよく用いられている数値補間法の1つであり,測定点における1次および2次の微分値が連続となるように測定点間の補間係数を決定する。
注6) 数値指標(LCCF*)が-5 を下回れば巻線異常,上回れば正常と判定する巻線異常判定基準が提案されている[1]。
注7) IEC60076-18:2012 より引用。
[Abstract]
Repeatability of the measurements is important in Frequency Response Analysis (FRA) because it is a diagnosis method of transformer windings by comparisons with fingerprints. Employing different measuring systems, which is composed of a measuring instrument and measuring cables, may influence the repeatability. Numerical indices, which represents identification degree of compared transfer functions, are useful in an objective evaluation of the influence. However, they cannot be calculated directly because the frequency resolutions are not identical in the measurements by different measuring systems. In this report, a calculation method of the numerical indices of transfer functions with different frequency resolution is introduced. By using this method, transfer functions of power transformers simultaneously measured by several measuring systems are compared. From the comparison, it is found that the influence of employing different measuring systems on the repeatability of measurements is negligible in FRA when the connection method 1 of IEC60076-18:2012 is employed for both of the systems. When the different connection methods are employed in these measuring systems, the influence of it is not negligible in practical FRA applications. Therefore, when if once a fingerprint has been measured employing an alternative connection method, after that, it is not recommended to employ the method 1 of IEC60076-18:2012 even though it is the standardized method. In this case, it is recommended to employ the same connection method to that employed in the measurement of the fingerprints.
報告書年度 [Report's Fiscal Year]
2018
発行年月 [Issued Year / Month]
2019/02
報告者 [Author]

担当

氏名

所属

宮嵜 悟

電力技術研究所 固体絶縁・劣化現象領域

水谷 嘉伸

企画グループ

キーワード [Keywords]
和文 英文
電力用変圧器 Power Transformer
巻線異常診断 Winding Fault Diagnosis
周波数応答解析(FRA) Frequency Response Analysis (FRA)
測定の再現性 Repeatability of Measurment
測定システム Measuring System
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