財団法人 電力中央研究所

電力中央研究所 研究報告書(電力中央研究所報告)
[CRIEPI Research Report]

研究報告書「電力中央研究所報告」は当研究所の研究成果を取りまとめた刊行物として、昭和28年より発行されております。 一部の研究報告書はPDF形式で全文をダウンロードすることができます。 ダウンロードの際には、当サイトの利用規約を遵守の上ご利用ください。

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研究報告書 詳細情報
[Detailed Information]

報告書番号 [Report Number]
H18004
タイトル
雷インパルス高電圧標準計測システムの構築(その3)−裁断波測定の不確かさ評価−
[Title]
Construction of Standard Measuring System of Lightning Impulse High Voltage (Part 3) - Uncertainty Evaluation of Chopped Wave Measurement -
概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)
背 景
電力機器の絶縁性能確認のための耐電圧試験では,印加電圧を測定し,規定の電圧が機器に印加されたことを保証する。国際規格 IEC60060-2:2010 注1では,耐電圧試験で用いる測定システムを国家標準と直接または間接的に比較して校正することを義務付けている。我が国において,インパルス電圧については日本高電圧・インパルス試験所委員会(JHILL)注2のもと当所を中心に,雷インパルス高電圧標準計測システム注3(以下,標準計測システム)を構築し,同システムを用いた校正実施のための技術的要件注4の 1 つとして,測定の不確かさ注5評価を進めている。これまでに,雷インパルス高電圧標準計測システムによる全波測定の不確かさ評価は完了しているが[1][2],更に裁断波注6測定の不確かさを評価する必要がある。
目 的
標準計測システムによる校正実施に向け,裁断波測定の不確かさを定量的に評価する。また,主要各国の国家標準計測システムによる測定の不確かさと比較する。
主な成果
(1) 裁断波測定の不確かさ評価
標準計測システム(図 1)による裁断波測定(表 1)の不確かさに寄与する要因を列挙し,これらの評価試験を行った。各項目の評価結果を ISO/IEC Guide98-3 注7に基づき統計的に処理し,標準計測システムによる裁断波測定の拡張不確かさ注8を評価した(表 2,表 3)。その結果,標準計測システムによる裁断波測定の不確かさは,基準測定システムに対して IEC60060-2:2010 で要求される測定の不確かさ注1の 1/3 程度以下であり,基準測定システムを校正するという標準計測システムの目的を満足するに十分な小ささであった(表 4)。
以上により,前報[1-3]とあわせ,標準計測システムによる測定の不確かさ評価を完了した。
(2) 主要各国の国家標準計測システムとの比較
上記の評価結果を高電圧計測の分野を主導するドイツ,フィンランド,オーストラリアの国家標準計測システムと比較した結果,測定の不確かさは同等程度以下であった(表 4)。このことから,我が国の標準計測システムによる測定の不確かさは世界最高レベルであることを示した。
注1 高電圧試験での測定システムに関する規格。このなかで,国家標準を頂点とする階層構造が規定されており,国家標準と比較して校正した基準測定システムを用い,下位の測定システムを校正する。基準測定システムに要求される測定の不確かさは規定されているが,国家標準に対しては規定されていない。
注2 高電圧試験所,学識者及び使用者業界で構成され,高電圧試験に関して日本を代表して活動している。
注3 この他,開閉インパルス高電圧標準計測システムを完成させ,不確かさ評価を完了している[3]。
注4 標準計測システムを用いた校正を実施するには,不確かさ評価を完了し,同システムとの比較試験を実施できる技術を確立する必要がある。全波雷インパルス電圧および開閉インパルス電圧に対しては,これらの要件を確立しており,日本電気計器検定所と協力して校正の実施を目指している。
注5 測定結果の報告にあたり,真値の推定値である測定値だけでなく,測定結果の質の定量的な評価指標として測定の不確かさも報告する。不確かさ評価では,ばらつきを標準偏差(標準不確かさ)で評価する。
[Abstract]
The standard measuring system for lightning-impulse high voltage is composed of a voltage divider, calibrators and a digital recorder. In order to solve some technical problems in calibrating measuring systems using the standard measuring system, some performance tests have been carried out and the overall uncertainties of chopped wave measurement by the standard measuring system are evaluated. The uncertainties of peak-value measurement and chopping-time measurement of front-chopped lightning-impulse high voltage waveforms are evaluated to be 0.9% and 0.7%, respectively with a coverage factor, k, of 2. The uncertainties of peak-value measurement, front-time measurement and chopping-time measurement of tail-chopped lightning-impulse high voltage waveforms are evaluated to be 0.4%, 1.1%, and 0.7%, respectively with a coverage factor, k, of 2. These values are much less than those required for reference measuring systems in IEC 60060-2. Furthermore, these values are as small as those by national standard measuring systems of other advanced countries. Therefore, it can be concluded that the uncertainties of the standard measuring system are small enough as the Japanese national standard.
報告書年度 [Report's Fiscal Year]
2018
発行年月 [Issued Year / Month]
2018/12
報告者 [Author]

担当

氏名

所属

宮嵜 悟

電力技術研究所 固体絶縁・劣化現象領域

五島 久司

電力技術研究所 気体絶縁・放電現象領域

脇本 隆之

千葉工業大学 工学部 電気電子情報工学科

石井 勝

電力中央研究所

キーワード [Keywords]
和文 英文
標準計測システム Standard Measuring System
裁断波雷インパルス電圧 Chopped Lightning Impulse Voltage
不確かさ Uncertainty
分圧器 Voltage Divider
IEC 60060-2 IEC 60060-2
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