財団法人 電力中央研究所

電力中央研究所 研究報告書(電力中央研究所報告)
[CRIEPI Research Report]

研究報告書「電力中央研究所報告」は当研究所の研究成果を取りまとめた刊行物として、昭和28年より発行されております。 一部の研究報告書はPDF形式で全文をダウンロードすることができます。 ダウンロードの際には、当サイトの利用規約を遵守の上ご利用ください。

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研究報告書 詳細情報
[Detailed Information]

報告書番号 [Report Number]
H18010
タイトル
送電線の多相雷事故率計算手法の開発(その1) −ホーン間隔の異なるアークホーンの同時フラッシオーバ特性−
[Title]
Development of calculation method for multi-phase fault rate of transmission line due to lightning -Concurrent flashover characteristics of two pair of arcing horns with different horn distances-
概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)
背景
送電線の多相雷事故は重大な事故であるため、その予測精度の向上は耐雷設計の合理化の観点から重要な課題である。当所の雷事故率予測計算プログラム(LORP)注1は 1970 年代に開発されたアルゴリズム注 2 を基にしており、実際の多相雷事故の様相と合わない場合がある。このため、当所では同時フラッシオーバ現象注 3 の組み込み等、アルゴリズムの刷新を進めている。これまで並列配置した 2 組のアークホーンの短波尾雷インパルス電圧注4による同時フラッシオーバ特性注5を実験的に解明してきた[1-3]。しかし、実際の送電線では系統の交流電圧が各相に重畳しているため、その電圧が同時フラッシオーバに影響を及ぼすと考えられるが、詳細は明らかになっていない。
目的
系統の交流電圧の影響をホーン間隔の差で模擬注 6 した 2 組のアークホーンの同時フラ ッシオーバ特性を実験により解明し、その同時フラッシオーバ条件を明らかにする。
主な成果
当所塩原実験場の 12MV インパルス電圧発生装置により短波尾雷インパルス電圧をホ ーン間隔が異なる 2つの並列配置されたアークホーン(又は棒ー棒ギャップ)に同時に印加し、放電進展様相や放電電流の測定によるフラッシオーバ実験を実施し(図 1)、以下を明らかにした。
1.ホーン間隔が異なることの同時フラッシオーバ特性への影響
ホーン間隔に差をつけると、その 2 組のアークホーンの同時フラッシオーバの発生率は低下する(図 2)。これより、系統の交流電圧を考慮すると、しない場合に比べて同時フラッシオーバが発生しにくくなることがわかった。
2. リーダ進展様相の測定に基づく同時フラッシオーバ条件
これまでの検討で、最大リーダ進展長差がホーン間隔に対して一定の比率以下となれば、同時フラッシオーバとなることが報告されている[1-3]。この比率は、線路サージインピーダンスを 200Ωとした場合は 0.4 となり、アークホーンのホーン間隔の差が 0%の時と10%の時でその比率は変わらないことを確認した(図3)。
3. 同時フラッシオーバモデルの検討
同時フラッシオーバ現象の解析モデルの開発に向け、瞬時値解析のフラッシオーバモデル注 7 を使って同時フラッシオーバの電圧・電流波形を計算した。その結果、実験で得られた同時フラッシオーバ時の電流波形と定性的な一致が確認できた。また、解析モデル開発に向けての課題が明らかになった。
注1: 研究報告T01006「新しい送電線雷事故率予測計算プログラムの開発」参照
注2: 安生晃一郎、菰田光治「送電鉄塔の多線雷フラッシオーバ解析法」電学論B、97 巻2号、1977、pp. 77-84 参照
注3: 送電線への雷撃時に、複数のアークホーンが同時にフラッシオーバすること。
注4: 波頭長は約1μs、波尾長が50μsより短い電圧波形。逆フラッシオーバ時にアークホーン間に発生する。
注5: 2組のアークホーンにインパルス電圧を印加して両方共フラッシオーバする時のフラッシオーバ特性
注6: 送電線の各相に重畳した系統の交流電圧を模擬するため、その電圧に相当する分、ホーン間隔を増減させた。
注7: 総合報告T56「電力系統における耐雷設計のための基礎的研究」参照
[Abstract]
A multi-phase fault of transmission lines is a serious event to electrical power system because of possibilities of interruption of power supply. The calculation method for the estimation of the multi-phase fault is very important. However, presently, the calculation method is basis on the design method for the unbalanced insulation transmission line. It calculate the multi-phase flashovers step by step. However, when natural lightning with large current stroke a transmission line, four line grounded by concurrent flashover in a transmission line was observed. The calculation method cannot the concurrent flashover of arcing horns in the transmission line. Thus, we have conducted the experiments for the development of a new calculation method of the multi-phase fault of transmission lines since 2012. In this report, we show the experimental results on concurrent flashover in two air rod-rod gaps to discuss the influence of the phase of power supply on the concurrent flashover. In the experiment, we used two air arcing horns of different horn distance. From the experimental results, we clarified that the differences of the horn distance decrease the occurrence rate of concurrent flashover. These results suggest that the phase of power supply voltage decrease the occurrence of the concurrent flashover of the transmission line.
報告書年度 [Report's Fiscal Year]
2018
発行年月 [Issued Year / Month]
2019/05
報告者 [Author]

担当

氏名

所属

三木 恵

電力技術研究所 気体絶縁・放電現象領域

三木 貫

電力技術研究所 気体絶縁・放電現象領域

工藤 亜美

電力技術研究所 サージ・電磁気現象領域

齋藤 幹久

電力技術研究所 サージ・電磁気現象領域

立松 明芳

電力技術研究所 サージ・電磁気現象領域

松本 洋和

電力技術研究所 サージ・電磁気現象領域

椎名 健雄

電力技術研究所 サージ・電磁気現象領域

キーワード [Keywords]
和文 英文
lightning
送電線 Transmission line
多相事故 Multi-phase fault
交流電圧 AC voltage
同時フラッシオーバ Concurrent flashover
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