財団法人 電力中央研究所

電力中央研究所 研究報告書(電力中央研究所報告)
[CRIEPI Research Report]

研究報告書「電力中央研究所報告」は当研究所の研究成果を取りまとめた刊行物として、昭和28年より発行されております。 一部の研究報告書はPDF形式で全文をダウンロードすることができます。 ダウンロードの際には、当サイトの利用規約を遵守の上ご利用ください。

※ PDFのファイルサイズが大きい場合には、ダウンロードに時間がかかる場合がございます。 ダウンロードは1回のクリックで開始しますので、ダウンロードが完了するまで、複数回のクリックはなさらないようご注意願います。

研究報告書 詳細情報
[Detailed Information]

報告書番号 [Report Number]
H18012
タイトル
スパイラル線の影響を考慮した直流送電線下のイオン流帯電電圧の予測手法の開発 −コロナケージと実規模直流試験線による実験的検討−
[Title]
Development of Prediction Method of Charged Voltage under DC Transmission Lines Wrapped with Spiral Wires -Experimantal Study Using Corona Cage and Real Scale Test Transmission Line-
概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)
背 景
近年,架空送電線の建設においては,周囲の環境への配慮が求められており,風音対策仕様の送電線が多く導入されている。直流送電線の設計の際には,送電線下のイオン流に起因する線下物体の帯電電圧等の電気環境的要因も考慮する必要があり,当所ではこれまで標準電線についての,直流送電線の電気環境的要因の予測手法(直流電気環境予測計算プログラム注1)[1]を開発してきた。しかし,この予測手法は,風音対策用のスパイラル線を装着した直流送電線に対して適用できず,その対応が望まれている。
目 的
コロナケージ試験結果を用いて,風音対策用のスパイラル線を装着した標準電線に適用可能な直流電気環境予測計算プログラムに用いるKb値注2を推定する。
主な成果
1. コロナケージ試験に基づく直流電気環境予測計算プログラムに用いるKb値の推定
塩原実験場のコロナケージ注3を用い,コロナケージの内網電極に流れるコロナ電流を測定する手法にて,標準電線と,これにスパイラル線を装着したケースについて,試験電線に流れるコロナ電流の Gmax 注4特性を明らかにした(図 1,図 2)。次に,得られたGmax特性から,電気環境予測計算に必要なパラメータである Kb値を算出した。この結果,スパイラル線を装着した標準電線の Kb値の,統計量の 50%値は「4.6」,平均値は「4.9」と算出された。
2.塩原直流試験線での実測値と予測計算値の比較による推定したKb値の妥当性の検証
コロナケージ試験から求めた Kb値の妥当性を確認するため,送電線実規模試験が可能な塩原直流試験線注5を用い,スパイラル線を装着した標準電線の±200kV 双極 1 回線の直流送電線について,線下の円板帯電電圧注6を実測した(図 3,図 4)。塩原直流試験線の実測値と予測計算値を比較した結果,円板帯電電圧の 50%値と平均値について,コロナケージ試験から得られたスパイラル線を装着したケースの Kb値を用いた場合,標準電線のみの Kb 値を用いた場合より,50%値と平均値ともに実測値により近い予測計算値が得られることを明らかにした(図5)。
今後の展開
難着雪リング等の電線装着物についてのコロナケージ試験データを蓄積し,直流電気環境予測計算プログラムの適用範囲の拡張,予測計算精度を高める。
注1:Deutsch の仮定(イオンは電界の大きさに影響を与えるが,電界の方向には影響を与えない)を適用し,イオン流がないときの電気力線に沿って,電界とイオン流を計算するプログラム。
注2:実験で求められたコロナ放電の発生のしやすさを示す係数。値が大きいほどコロナが発生しやすい状態にあることを示す。
注3:送電線実規模レベルで電線の注水課電ができ,コロナ特性が評価できる試験設備。
注4:最大導体表面電位の傾き。電線と同じ直径の円筒をモデルとし,算出する。
注5:測定径間長が 310m あり,双極 2 回線までの電線が架線できる試験設備。架線電線の地上高や線間距離の調節が可能。
注6:直径 1m のアルミ製円板を,高さ 1.5m で,内部に 10GΩの抵抗を封入した絶縁パイプで支持した電極で測定した電圧。
[Abstract]
An ion flow occurs by corona discharge generated from charged conductor of DC transmission line. Since the ion flow may charge on object under DC transmission line, it is necessary to predict it in advance.
In this report, a corona cage test was conducted in order to develop a prediction method of DC electric environment factors of conductor wrapped with spiral wires. From the corona cage test results, coefficients representing the ease of generation of corona discharge were derived. Then, a predicted value of the charged voltage due to ion flow was calculated by a program using the line of electric force method. In addition, the measured value of the charging voltage was obtained using real scale test transmission line. As a result, the predicted value and the measured value roughly agreed within 50% value and the averaged value of the charged voltage due to ion flow.
報告書年度 [Report's Fiscal Year]
2018
発行年月 [Issued Year / Month]
2019/05
報告者 [Author]

担当

氏名

所属

宮島 清富

電力技術研究所 サージ・電磁気現象領域

椎名 健雄

電力技術研究所 サージ・電磁気現象領域

キーワード [Keywords]
和文 英文
直流送電 DC power transmission
架空送電線 Overhead transmission lines
イオン流帯電 Ion flow electrification
コロナ放電 Corona discharge
予測手法 Prediction method
Copyright (C)  Central Reseach Institute of Electric Power Industry. All Rights Reserved.