財団法人 電力中央研究所

電力中央研究所 研究報告書(電力中央研究所報告)
[CRIEPI Research Report]

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研究報告書 詳細情報
[Detailed Information]

報告書番号 [Report Number]
H19003
タイトル
CVケーブル用プレハブ式終端接続箱における析出物発生メカニズムの解明−誘電泳動現象に基づいた析出物凝集モデルの提案−
[Title]
Study on Stress Relief Cone Precipitates Generation Mechanism in Prefabricated Termination for XLPE cable - Proposal of Precipitate Aggregation Model Based on Dielectrophoresis Phenomenon -
概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)
背 景
CVケーブルと架空送電線などを接続するプレハブ式終端接続箱は、工場で製造されたプレモールド絶縁体(ストレスコーン)やエポキシ絶縁体を現地でケーブル絶縁体上に挿入し組み立てられる。そのため現地施工が容易であることや、部品個々の健全性を確保できるといったメリットがある。しかし長期運転によってストレスコーン表面に析出物が発生し、誘電泳動現象によるものと推定される析出物の凝集が確認されており、これを起点に絶縁破壊が発生する可能性がある。そのため高経年プレハブ式終端接続箱の析出物凝集メカニズムの解明が求められている。
目 的
プレハブ式終端接続箱の絶縁性能低下要因の一つと考えられる析出物凝集メカニズムの解明に向け、モデル電極を用いて撤去品に見られる析出物凝集様相の再現を試みるとともに、実運用状況下で想定される析出物凝集様相の解析的検討を行う。
主な成果
1. ストレスコーン形状を模擬したモデル電極を用いた析出物凝集様相の再現
白色析出物は導電性ゴムと絶縁性ゴムの界面に多く見られ、その近傍に筋の様な痕跡が確認される。そこで60 kV級のストレスコーン形状を模擬したモデル電極を作製し、凝集様相の再現を試みた。チタン酸バリウム粉末を分散させたシリコーンオイルを用いて課電したところ、撤去品と類似の粉末凝集様相を再現できた。
2. 実運用状況下におけるストレスコーン析出物凝集様相の推定
析出物に働く誘電泳動力を導出する上で必要なパラメータは、ストレスコーンとケーブル絶縁体界面に存在するシリコーンオイルの電界勾配、析出物の誘電率および粒径である。初めにストレスコーンの導電性ゴムと絶縁性ゴムの界面形状を決定する式を元に電界分布を導出した。次に不定形かつ極微量な粉末に対する簡易比誘電率測定手法を適用し、析出物の一部を構成すると考えられる加硫促進剤の比誘電率が約5~7であることを明らかにした。これらのパラメータを基に、誘電泳動力を算出し、析出物の凝集様相を解析的に導出したところ、撤去品と類似の様相を表現することができた。このことから、実運用状況下においても誘電泳動現象によって析出物の凝集が進展する可能性がある。
[Abstract]
The Stress relief cones are used in prefabricated termination for XLPE cable. There's a possibility that precipitates have generated inside the stress relief cone due to long-term operation: leading to a dielectric breakdown accident: but the process hasn't been elucidated. In this study: we focus on the dielectrophoresis phenomenon and present a study of the precipitate aggregation state. First: we made the model electrode which imitated the shape of the stress relief cone of 60kV and tried to reproduce the state of aggregation. As a result: we could reproduce the state of aggregation like removal stress relief cone. Next: we derived the basic estimated formula about a dielectrophoresis force: dielectrophoresis velocity and dielectrophoresis time in the actual stress relief cone. In order to calculate the dielectrophoresis force: the electrical field in silicone oil: the particle diameter and the relative permittivity are required. The electric field and the relative permittivity of the precipitate were found. Therefore: we calculated the dielectrophoresis force based on these parameters: and derived the aggregation state of the precipitate analytically. As a result: the aggregation state of the precipitate similar to the removal stress relief cone could be expressed. For this reason: there is a possibility that the aggregation of precipitates will progress due to the dielectrophoresis phenomenon under actual operating conditions.
報告書年度 [Report's Fiscal Year]
2019
発行年月 [Issued Year / Month]
2020/03
報告者 [Author]

担当

氏名

所属

真下 貴文

電力技術研究所 固体絶縁・劣化現象領域

高橋 俊裕

電力技術研究所 固体絶縁・劣化現象領域

キーワード [Keywords]
和文 英文
CVケーブル XLPE cable
プレハブ式終端接続箱 Pre-fabricated termination
ストレスコーン Stress relief cone
析出物 Precipitate
誘電泳動現象 Dielectrophoresis phenomenon
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