電力中央研究所

報告書「電力中央研究所報告」は当研究所の研究成果を取りまとめた刊行物として、昭和28年より発行されております。 一部の報告書はPDF形式で全文をダウンロードすることができます。

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電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)

報告書データベース 詳細情報


報告書番号

L09009

タイトル(和文)

充電インフラ検討用次世代自動車交通シミュレータの開発-電気自動車導入に向けた基本解析機能構築-

タイトル(英文)

Development of Traffic Simulator for Analysis on Charging Infrastructure of Next Generation Vehicle - Basic Analysis System toward Spread of Electric Vehicle -

概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)

運輸部門におけるCO2排出削減に向けて電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)等の次世代自動車が注目されている。その一方で、EVやPHVの普及に向けた課題の一つに充電インフラの全国規模の整備が挙げられている。充電インフラの整備においては、必要となる充電インフラ設置数やそれに対する次世代自動車の搭載電池容量等の自動車性能の影響を定量的に評価する必要がある。
本報告では、EVの普及に必要となる充電インフラ設置効果を定量的に評価できる、充電インフラ検討用次世代自動車交通シミュレータを開発し、以下の結果を得た。
モデル地区道路網を対象に交通シミュレーションを実施した結果、内々交通量 の全体に対する都市毎の発生割合と都市間交通量の各都市間発生割合の再現性から、開発した交通シミュレータの妥当性を確認した。
次に、走行燃費7.5km/kWhを仮定し、8kWhから20kWhのEV搭載電池容量に対して、モデル地区の道路網における急速充電インフラ17か所設置効果を解析したところ、1日の平均走行距離として5km~10km延長できる効果があることが分かった。さらに、充電ステーションにおける時系列のEV充電台数の解析から、急速充電ステーションの稼働率とEVの搭載電池容量の関係や、急速充電ステーションにおける急速充電装置の台数を定量的に議論できる見込みを得た。
今後の課題としては、都市間交通量におけるパーソントリップ調査結果の再現性を向上させると共に、交通シミュレータのプレ・ポスト処理の機能を追加し、地図作成から解析結果表示まで一貫して行えるようユーザーインターフェーの整備が必要である。

概要 (英文)

Development of the charging infrastructure is one of the key issues in order to spread the next-generation vehicle such as an electric vehicle, a plug-in hybrid electric vehicle, and a fuel-cell vehicle. Especially, it is more important for the electric vehicle to spread in the transportation system, because of its shorter electric drive range than other next generation vehicles. In this report, a traffic simulator has been developed to analyze the charging infrastructure effect on the use of the electric vehicle. The multi-agent method is applied to formulate this traffic simulator on the Microsoft windows system. The input map data is built from the public database such as Digital Map 2500 (Spatial Data Framework) and the population census. It is confirmed that the simulation result on traffic number inside a city and between cities is quite consistent with the traffic database. This traffic simulator can analyze the relationship among the performance of the electric vehicle, the scale and the method (rapid or normal charge) of the charging infrastructure, and the traffic condition such as traffic jam.

報告書年度

2009

発行年月

2010/06

報告者

担当氏名所属

日渡 良爾

原子力技術研究所 原子炉システム安全領域

岡野 邦彦

原子力技術研究所 原子炉システム安全領域

朝岡 善幸

原子力技術研究所

池谷 知彦

材料科学研究所 先進機能材料領域

キーワード

和文英文
交通シミュレータ Traffic simulator
次世代自動車 Next generation vehicle
電気自動車 Electric vehicle
充電インフラ Charginig infrastructure
マルチエージェント法 Multi agent method
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