財団法人 電力中央研究所

電力中央研究所 研究報告書(電力中央研究所報告)
[CRIEPI Research Report]

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研究報告書 詳細情報
[Detailed Information]

報告書番号 [Report Number]
L20003
タイトル
核物質量の受払間差異発生要因に関する検討(2) -核データの不確かさに起因して生じる核物質量計算値の不確かさに関する定量評価-
[Title]
Analysis on Factors Causing Shipper/Receiver Difference of Nuclear Material (2) - Uncertainty Quantification of Nuclear Material Inventories due to Uncertainty of Nuclear Data -
概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)
[背景]
 原子力発電所から払い出された使用済燃料に含まれる核物質(U, Pu)量の計算値と、それを受け入れた再処理施設で計量した核物質量との差異を受払間差異(Shipper/Receiver Difference, SRD)と呼ぶ。電気事業者は、保障措置の観点からSRD低減に向けた継続的な活動をIAEAより求められており、当所では、「燃焼計算コード検証委員会」を開催するなど、SRD低減に向けた検討を電気事業者と連携して継続的に実施している。
 近年、数値解析に不確かさ評価が求められる傾向にあり、取替炉心設計においては、核反応断面積の不確かさに起因して生じる炉心パラメータ計算値の不確かさを統計的手法により評価した例がある。SRD評価においても、燃焼計算による核物質量計算値の不確かさを同様の手法を用いて評価することが求められる可能性がある。

[目的]
 核データの不確かさに起因して生じる核物質量計算値の不確かさを評価するシステムを整備するとともに、その不確かさを詳細かつ定量的に評価する。

[主な成果]
1.核物質量計算値の不確かさ評価システムの整備
 従来、核特性解析コードシステムSCALE(注1)において、不確かさ評価モジュールSampler(注2)と燃焼計算モジュールPolaris(注3)の組み合わせでは、核種組成の不確かさを評価することができなかったが、当所で独自に核種組成計算結果のファイルを参照できる機能を追加することで、最新の計算手法を採用しているPolarisを用いた核種組成の不確かさ評価が可能となった(図1)。
2.使用済燃料中の核物質量計算値の不確かさの定量評価
 整備したシステムにより、PWR17×17型燃料集合体体系にて、ENDF/B-VII.1(注4)を基にして作成されたライブラリセットを用いて、核物質量の計算値における核データ起因の不確かさを評価した(図2)。その結果、235U, 239Pu, 241Pu量の計算値はそれぞれ2.3, 2.1, 2.1%の不確かさを有することが明らかになった。また、感度解析として、燃料棒体系にて、初期235U濃縮度が異なる条件や、減速材ホウ素濃度や燃料・減速材温度が高い条件などでの解析も実施した。その結果、初期235U濃縮度が高くなると、235U, 239Pu, 241Pu量ともに不確かさが小さくなることなどが明らかになった(図3)。これは、濃縮度が高くなると、235Uは燃焼後の残存量に対して核データの不確かさが影響する消費量が相対的に小さくなるため、また、239Puと241Puは核分裂分担の低下により消費量が減少するためである。
 これらの解析結果は、SRD発生時に燃焼計算側の誤差要因の1つとして説明に用いることができ、現在の技術レベルに応じた説明性の向上に寄与できる。
[Abstract]
Uncertainty quantification of calculated nuclear material inventories in a spent fuel caused by uncertainty in nuclear data were performed for analysis on factors causing Shipper/Receiver Difference (SRD) of nuclear materials. Uncertainty quantification procedures have been developed by adding Shell sequences that can manipulate ORIGEN output files (f71 files) to Sampler and Polaris sequences in the SCALE Code system (Version 6.2.3). This procedure allows us to perform uncertainty quantification using the latest lattice physics code, Polaris, which adapts Method of Characteristics (MoC) as a neutron transport calculation. Cross section and covariance data generated based on the ENDF/B-VII.1 library were used. As a result of analysis in a fuel assembly geometry, uncertainty of the calculated 235U, 239Pu and 241Pu inventories were found to be 2.3, 2.1 and 2.1%, respectively. Sensitivity analysis were also performed in a fuel rod geometry under various conditions, such as high enriched 235U, high boron concentration in moderator, high temperature fuel and moderator, etc. These results are expected to be used to explain one of the causes generating SRD by depletion calculations.
報告書年度 [Report's Fiscal Year]
2020
発行年月 [Issued Year / Month]
2021/06
報告者 [Author]

担当

氏名

所属

佐藤 駿介

原子力技術研究所 燃料・炉心領域

キーワード [Keywords]
和文 英文
核物質 Nuclear Material
受払間差異 Shipper/Receiver Difference
燃焼計算 Depletion Calculation
不確かさ評価 Uncertainty Quantification
核データ Nuclear Data
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