財団法人 電力中央研究所

電力中央研究所 研究報告書(電力中央研究所報告)
[CRIEPI Research Report]

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研究報告書 詳細情報
[Detailed Information]

報告書番号 [Report Number]
N19009
タイトル
流出解析モデルを用いた河川流量温暖化影響評価手法の構築
[Title]
Construction of impact assessment method of global warming for river runoff in Japan by using a runoff analysis model
概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)
背  景
地球温暖化にともない、降水特性の変化による河川流量の増減や、融雪時期の早期化による河川流量の季節進行の変化といった問題が懸念されている。このため、ダム貯水池運用の見直しや設備改造といった気候変動リスクへの適応策の検討が求められている。一方当所では、河川流量を高精度で予測できる流出解析モデルHYDREEMSを開発し、ダム流入量予測や災害時の河川流量評価などに適用してきたが、温暖化影響下の長期の河川流量評価に関しては未だ対応できていない。そのような中、近年、高時空間分解能と大アンサンブルを兼ね備えた地球温暖化対策のための気候予測データベース(以降、温暖化予測データ)が国内で整備されはじめ、温暖化影響評価に利用できるようになってきた。

目  的
河川流量の温暖化影響評価に対応するため、HYDREEMSの入力機構を改良した上で、融雪出水のある山岳エリアを例として長期試験計算を実施する。

主な成果
1. 温暖化予測データに基づく流出解析モデルの改良
気候モデルによる温暖化予測データから、数十年間の流量計算を連続して実施できるように、HYDREEMSの入力機構の改良を行った。これにより、積雪水量の季節進行や流況の将来変化を高解像度(1kmメッシュ)で推定することが可能になった。
2. 河川流量の将来予測(温暖化影響評価)試験計算
北陸地方の一級河川である庄川を対象に、現在気候および2℃と4℃上昇気候下における河川流量の将来予測の計算を実施し、安定した長期連続計算が実施可能であることを確認した。また、春季から冬季への融雪出水時期の変化とピーク流量の減少、年最大流量の冬季での発生増加など、温暖化にともない水文統計量に大幅な変化が生じ得る可能性が示された。

今後の展開
河川流量の不確実性・極値の推定に必要なアンサンブル計算を行うため、計算高速化手法を検討する。一級河川を中心に温暖化影響評価を全国に拡大する。
[Abstract]
In order to evaluate the impact of global warming on future hydroelectric power generation, the runoff analysis model HYDREEMS has been improved so that it can be driven by global warming projection data from regional climate models. As for the future meteorological input data for the runoff model, climate projections obtained from the database for Policy Decision-making for Future climate change (d4PDF) is used. Three test simulations of the detailed river runoff under the present (historical) and future climate (+2K and +4K) are conducted for the Shogawa-river area that is located on the Hokuriku region in central-north Japan and are known as the regions experiencing heaviest snowfall in the world. The results of the simulations clearly show the changes in season of snowmelt runoff from spring to winter and reduction of climatological peak in discharge. The future increases (decrease) in the snowmelt flood in the winter (early summer) season is also seen.
報告書年度 [Report's Fiscal Year]
2019
発行年月 [Issued Year / Month]
2020/05
報告者 [Author]

担当

氏名

所属

大庭 雅道

環境科学研究所 大気・海洋環境領域

佐藤 隆宏

地球工学研究所 流体科学領域

新井 涼允

地球工学研究所 流体科学領域

豊田 康嗣

地球工学研究所

キーワード [Keywords]
和文 英文
流出解析モデル Runoff analysis model
気候変動 Climate change
影響評価 Impact assessment
水力発電 Hydroelectric power
融雪出水 Snowmelt runoff
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