財団法人 電力中央研究所

電力中央研究所 研究報告書(電力中央研究所報告)
[CRIEPI Research Report]

研究報告書「電力中央研究所報告」は当研究所の研究成果を取りまとめた刊行物として、昭和28年より発行されております。 一部の研究報告書はPDF形式で全文をダウンロードすることができます。 ダウンロードの際には、当サイトの利用規約を遵守の上ご利用ください。

※ PDFのファイルサイズが大きい場合には、ダウンロードに時間がかかる場合がございます。 ダウンロードは1回のクリックで開始しますので、ダウンロードが完了するまで、複数回のクリックはなさらないようご注意願います。

研究報告書 詳細情報
[Detailed Information]

報告書番号 [Report Number]
N20006
タイトル
急速塩分浸透性試験によるコンクリート中における塩化物イオンの見掛けの拡散係数の評価手法の提案
[Title]
Proposal of Estimation Method about Apparent Diffusion Coefficient of Chloride Ion in Concrete by Rapid Migration Test
概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)
背景
沿岸部に立地する鉄筋コンクリート構造物の長期供用を確実なものとするには,塩害に対する耐久性を精度良く評価することが重要となる。このうち,コンクリート内部における塩化物イオンの浸透過程は,一般に拡散係数で評価し,既に様々な規準試験方法が制定されている。しかしながら,試験期間が1年にも及ぶ場合がある,浸透速度の測定手法の一つである硝酸銀噴霧呈色法に関する知見が必ずしも十分ではない等の技術的課題があり,その解決が望まれていた。

目的
塩化物イオンの見掛けの拡散係数に関する新しい試験方法を提案する。

主な成果
1.コンクリート中の塩化物イオンの見掛けの拡散係数を評価する新しい試験方法の提案
既往の規準試験方法の特徴を踏まえ,それらの修正を図る形で以下に示す試験方法を提案した。
(1)拡散係数の測定手順
実環境下でのコンクリート内部への塩化物イオンの浸透過程が模擬された規準試験方法の一つであるNT BUILD 492を採用した。ここで,塩化物イオンの浸透速度は,土木学会の規準試験方法「電気泳動によるコンクリート中の塩化物イオンの実効拡散係数試験方法(案)」における流束の算定手順を転用した。これは,硝酸銀噴霧呈色法において,その呈色反応が不明な材料等にも適用可能な新しい方法である。
(2)拡散係数の経時変化の評価方法
コンクリートは,海水や地下水等が養生水の役割を果たすため,供用中でもセメントの水和反応が継続的に進行する。このことから,コンクリートの細孔構造の緻密化に起因した拡散係数の減少傾向を示す,材齢28日または91日時点からの拡散係数の経時変化を表す新たな評価式を作成した。
2. 提案した試験方法の妥当性の検証
室内試験等から計66個の実証データを収集し,提案した新しい試験方法の妥当性を検証した。その結果,試験期間が従来の場合の10%程度以下までに短縮されると共に,コンクリートの養生材齢と浸せき期間の和が3年〜9年において,実験結果にほぼ一致することが確認された。

今後の課題
検証に用いる実証データを引き続き取得し,特に浸せき期間が長期にわたる場合について,提案した試験方法の精度と適用範囲の明確化を進める。
[Abstract]
In this study, a new test method is proposed to evaluate the diffusivity of concrete about chloride ion in migration experiments. This terminology is used in this standard.
(1) Effective diffusion coefficient is based on non- steady-state migration experiment (eg. NT BUILD 492 in nordtest method).
(2) Test duration is determined by x-intercept of regression line in the rate of increase of chloride ion concentration on the anode side in migration cell equipment and effective diffusion coefficient is calculated by the equation of NT BUILD 492.
(3) The aging dependency diffusion coefficient is approximated by regression formula with power math function about steady-state effective diffusion coefficient.
Consequently, the proposed test method is in agreement with the experimental result from the 3rd years on.
報告書年度 [Report's Fiscal Year]
2020
発行年月 [Issued Year / Month]
2021/04
報告者 [Author]

担当

氏名

所属

松井 淳

地球工学研究所 構造工学領域

キーワード [Keywords]
和文 英文
塩化物イオン Chloride ion
実効拡散係数 Effective diffusion coefficient
電気泳動法 Migration test
試験方法 Test method
コンクリート Concrete
Copyright (C)  Central Reseach Institute of Electric Power Industry. All Rights Reserved.