財団法人 電力中央研究所

電力中央研究所 研究報告書(電力中央研究所報告)
[CRIEPI Research Report]

研究報告書「電力中央研究所報告」は当研究所の研究成果を取りまとめた刊行物として、昭和28年より発行されております。 一部の研究報告書はPDF形式で全文をダウンロードすることができます。 ダウンロードの際には、当サイトの利用規約を遵守の上ご利用ください。

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研究報告書 詳細情報
[Detailed Information]

報告書番号 [Report Number]
N20007
タイトル
基本風速マップ作成のための高解像度・長期気象・気候データベースの強風事象の特性把握と風速補正方法の考案
[Title]
Characteristics of strong wind events in Long-term High-resolution Reproduction and development of wind correction method for basic wind speed map
概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)
背景
送電用鉄塔設計標準JEC-TR-00007-2015に掲載されている基本風速マップは,気象官署で算出した再現期間風速を,気流解析コードにより求めた地形起伏に伴う風速増減分布で内挿し作成された.しかし,気象学的影響による山間部の強風(おろし風などの局地風)を加味できないという課題が指摘されていた.これを踏まえ,気象学的影響を解析できる領域気候モデルを用いたマップ作成を指向し,同モデルによる過去約60年分の気象を解析したデータベースCRRCMEr2の精度を検証してきた.これまでに少数の台風や局地風を対象とした検証は行われているが,過去に襲来した多数の台風の全体的な精度把握や,日本各地で報告されている代表的な局地風の検証は十分ではない.

目的
CRRCMEr2の台風や局地風を気象庁観測値や文献と比較することで,実現象との整合・乖離を評価する.評価結果を踏まえたマップ作成のための風速補正方法を考案する.

主な成果
1.台風に伴う地上風速・風向の再現性評価
CRRCMEr2では,台風経路や地上風向の変調,台風の通過に伴う時空間的な風速の増減が実際と良好に整合する.しかし,極めて強い台風中心近傍の気圧勾配・風速を過小評価する場合があるため,高風速を精度よく再現することが難しい.
2.日本各地の局地風の適用性評価
CRRCMEr2の水平解像度(5km)で表現される気象・地形の影響は反映され,これに起因するおろし風などの強風域が再現されている.一方,地峡部や孤立峰周辺で発生する局地風など,水平解像度以下の小さな現象は再現できていない.
3.CRRCMEr2の風速補正方法の考案
CRRCMEr2から求めた再現期間風速分布を,気象官署観測値に基づく風速で補正しマップを作成する方法を考案した.強風事象を対象にこの補正手法の妥当性を検証し,統計処理して得られる再現期間風速に対しても適用できる見込みを得た.

今後の展開
領域気候モデルによる強風値の精緻な解析方法を検討する.さらに,基本風速マップ作成や設計風速算定の各手順に含まれる不確かさやばらつきの情報を評価し,安全率に代わる合理的な風外力の裕度評価手法の構築を目指す.
[Abstract]
To design wind-resistant transmission towers, the estimation of reliable wind loads using return periods for extreme wind speeds at each construction point is critical. However, several transmission towers are built in mountainous regions with limited long-term observation sites. One possible approach to obtaining long-term wind data for areas where observation data are not available (i.e. mountainous regions) is to use the results from numerical weather simulations. In this study, we evaluate the accuracy of surface winds, primarily focusing on typhoons and local strong winds, from the Long-term High-resolution Reproduction CRIEPI-RCM-Era2 (CRRCMEr2), which was produced via dynamical downscaling over Japan from September 1957 to July 2019. Numerous typhoon paths are effectively simulated, and the timings of the peak wind velocity and changes in wind direction are found to be consistent with the observations. However, the pressure gradients and wind velocities near the centers of strong typhoons are observed to be underestimated. The numerical accuracies of strong local winds in Japan (i.e., Yamaji-kaze, Hidaka-shimo-kaze, Suttsu-dashi-kaze, Rausu-dashi-kaze, and Hiroto-kaze) are also investigated, and accelerated air flow over lee slope of a high mountain reproduced by the horizontal resolution (5 km) are physically well simulated. Finally, considering these results, we propose and investigate a methodology to correct bias in the CRRCMEr2.
報告書年度 [Report's Fiscal Year]
2020
発行年月 [Issued Year / Month]
2021/04
報告者 [Author]

担当

氏名

所属

北野 慈和

地球工学研究所 流体科学領域

服部 康男

地球工学研究所 流体科学領域

橋本 篤

地球工学研究所 流体科学領域

早田 直広

地球工学研究所 構造工学領域

石川 智已

地球工学研究所

平口 博丸

地球工学研究所

大園智章

東京電力パワーグリッド株式会社

栗田健

東京電力パワーグリッド株式会社

宮澤健博

東京電力パワーグリッド株式会社

山崎智之

東京電力パワーグリッド株式会社

北嶋知樹

東京電力パワーグリッド株式会社

キーワード [Keywords]
和文 英文
基本風速マップ Basic wind speed map
耐風設計 Wind resistance design
力学的ダウンスケーリング Dynamical downscaling
台風 Typhoon
局地風 Local wind
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