財団法人 電力中央研究所

電力中央研究所 研究報告書(電力中央研究所報告)
[CRIEPI Research Report]

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研究報告書 詳細情報
[Detailed Information]

報告書番号 [Report Number]
O18008
タイトル
断層の破壊進展解析による地表断層変位予測手法−実地震への適用−
[Title]
Prediction method for surface fault displacement by fault rupture simulation -Application to real earthquakes-
概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)
背景
2013年に施行された原子力発電所の新規制基準では、重要施設の基礎地盤について、地下深部の震源に直結する活断層(主断層)に加えて、敷地に分布する小規模の断層(副断層)や地すべり面についても変位の有無を検討することが求められている。そのため、当所では主断層において地震が発生した際の周辺に分布する断層の変位を推定するための数値解析手法を提案し、試解析を示した。

目的
近年、国内で発生した地表地震断層を伴う3つの地震を対象に提案した数値解析手法による解析を実施し、その適用性を確認する。

主な成果
特性化震源モデルに基づき、主断層上のせん断強度の時間関数を設定することにより、断層を破壊進展させる解析を実施した。主断層に接するものから離隔約10kmまでの副断層を考慮した。これにより以下の成果を得た。

1. 2011年福島県浜通りの地震(正断層)の解析
井戸沢断層、湯ノ岳断層を主断層とし、その周辺に5つの副断層を配置した数値解析を実施した。得られた主断層の地表変位は観測結果を包含した。副断層においても地表変位が発生する結果が得られたが、変位量は観測結果よりも小さかった。

2. 2014年長野県北部の地震(逆断層)の解析
神城断層を主断層とし、その周辺に4つの副断層を配置した数値解析を実施した。一部に非破壊領域を設定することにより観測記録と整合した主断層の地表変位が得られた。また、副断層において地表変位が発生し、最大地表変位が発生した位置は観測結果と一致した。ただし、その変位量は観測結果よりも小さかった。

3. 2016年熊本地震(横ずれ断層)の解析
布田川断層、日奈久断層を主断層とし、その周辺の4地域に合計8つの副断層を配置した数値解析を実施した。主断層に近接する規模の大きい副断層では数10cm〜1m超の地表変位が得られ、定量的にも観測結果を再現した。

以上、本解析手法により副断層での地表変位の発生を評価できることを確認した。

今後の展開
地表付近の詳細な解析モデルによる解析と組み合わせ、断層変位と地震動の重畳を評価できる解析手法に発展させる。
[Abstract]
For on-site fault assessment in nuclear power plants, it is important to estimate fault displacements and their impact on the safety functions of facilities. Numerical prediction is one of potential methods for the estimation of fault displacements. The author proposed a numerical prediction method for surface fault displacement using dynamic fault rutpure analysis. In this report, the numerical prediction method is applied to three real earthquakes with surface faulting in Japan: (1) the 2011 Fukushima-ken Hamadoori Earthquake, (2) the 2014 Nagano-ken-hokubu Earthquake, and (3) the 2016 Kumamoto Earthquake.
In the numerical simulations, not only primary faults but also secondary faults are considered in the numerical models. The fault rupture on the primary faults is initiated at a predefined hypocenter and programmed to propagate outward along the fault plane with specified rupture velocities and stress drops until it is arrested at the edge of the fault plane. Calculated surface slip distribution on primary faults was in good agreement with measured slip. Surface slip also appeared on secondary faults in the simulation. However, calculated surface slips on secondary faults were not so identical to the measured slip quantitively. Therefore, the proposed numerical method is applicable to evaluating the possibility of surface slip on secondary faults.
報告書年度 [Report's Fiscal Year]
2018
発行年月 [Issued Year / Month]
2019/04
報告者 [Author]

担当

氏名

所属

澤田 昌孝

原子力リスク研究センター 自然外部事象研究チーム

キーワード [Keywords]
和文 英文
動力学的破壊進展解析 Dynamic rupture analysis
断層変位 Fault displacement
地表地震断層 Surface rupture
個別要素法 Distinct element method
差分法 Finite difference method
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