財団法人 電力中央研究所

電力中央研究所 研究報告書(電力中央研究所報告)
[CRIEPI Research Report]

研究報告書「電力中央研究所報告」は当研究所の研究成果を取りまとめた刊行物として、昭和28年より発行されております。 一部の研究報告書はPDF形式で全文をダウンロードすることができます。 ダウンロードの際には、当サイトの利用規約を遵守の上ご利用ください。

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研究報告書 詳細情報
[Detailed Information]

報告書番号 [Report Number]
O20004
タイトル
確率論的強風飛来物解析コードTONBOS-proの開発
[Title]
Development of probabilistic high wind-borne missile analysis code TONBOS-pro
概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)
背  景
台風や竜巻に対する建築物や電力施設の設計では、強風による風圧荷重のみではなく強風によって発生する飛来物による衝撃荷重を考慮する必要がある。当所では、竜巻飛来物の設計飛来物速度等を決定論的に評価するためのシミュレーション解析コードTONBOSを開発し、これまでに多くの原子力施設の設計・評価で活用されてきた。
一方、強風飛来物に対する確率的な側面を考慮した合理的な設計・評価やシステム全体の確率論的リスク評価(PRA)を行うには、強風飛来物の確率的な浮上・飛散評価結果に基づき対象物への衝突確率を評価することが必要となる。

目  的
飛来物の空中での姿勢変化や気流の風速分布を考慮した確率的な飛来物浮上・飛散解析コードを開発し、その妥当性を既往の実験結果や解析結果に基づき評価する。

主な成果
1.飛来物の空中姿勢変化を考慮した評価モデルの開発
クロスフロー理論注 )に基づき任意の物体姿勢に作用する流体力をモデル化した。また、回転運動の時間スケールを考慮してランダム回転モデルを改良し、物体の空中姿勢の変化を断続的でランダムな姿勢変化で模擬した。物体姿勢を更新する時間間隔は物体飛散のばらつきに影響を及ぼすが、この改良により空中での相対風速の変化等を合理的に反映して更新時間間隔を設定することが可能となった。これらのモデルをコード化したTONBOS-proを検証するために、既往風洞実験結果および接地境界層風速条件での米国原子力委員会(NRC)規制ガイドREG1.221の掲載値と解析結果を比較し、TONBOS-proの解析結果が妥当であることを確認した。

2. 地上物体に対する浮上力のモデル化と妥当性評価
地面に接した状態で設置される物体に作用する浮上力をTONBOS(ver.2, ver.3)と同様の地面効果による揚力モデル式で近似した。このモデル化により地上物体においても、竜巻風速場や接地境界層風速場での飛散・落下挙動が適切に表現され、飛来物速度等の確率的なハザード特性を評価できることを確認した。

今後の展開
竜巻や台風の来襲頻度や対象物のフラジリティを考慮することで、本評価手法を強風飛来物に関するリスク評価法に拡張する。また、クロスフロー理論では考慮できない物体端部の3次元的流れの影響等を反映し、解析コードの適用性をさらに向上させる。

[Abstract]
In order to probabilistically evaluate the hazard characteristics of typhoon-borne and tornado-borne missiles using a simulation code, we modeled the fluid force acting on an object of arbitrary orientation based on the cross-flow theory. The change in the object orientation in air was simulated by the random orientation model. A new method for updating the object orientation was proposed in this report so that the update frequency can take into account the time scale of the object rotation, which should depend on the relative wind speed and other physical properties of object and wind. The lift force acting on the object installed in contact with or near the ground was modeled by the same method as employed in the deterministic analysis code, TONBOS (ver.3). Based on these physical models, we have developed the probabilistic typhoon-borne and tornado-borne missile analysis code TONBOS-pro, which enables to consider changes in the initial orientation of potential missile and random aerial orientation of missiles. In order to verify the proposed physical model and to validate the evaluation scheme of TONBOS-pro, the numerical results were compared with the existing wind tunnel experiment results as well as the design hurricane-borne missile speeds listed in the US NRC Regulatory Guide 1.221. In addition, numerical simulation for an object in contact with the ground was performed under the conditions of the surface boundary layer wind and tornado wind. The results have shown that the scattering and falling behaviors of the missiles can be appropriately expressed using TONBOS-pro.
報告書年度 [Report's Fiscal Year]
2020
発行年月 [Issued Year / Month]
2021/05
報告者 [Author]

担当

氏名

所属

江口 譲

原子力リスク研究センター 自然外部事象研究チーム

服部 康男

原子力リスク研究センター 自然外部事象研究チーム

キーワード [Keywords]
和文 英文
強風 High wind
確率論的評価 Probabilistic assessment
台風飛来物 Typhoon-borne missile
竜巻飛来物 Tornado-borne missile
ランダム回転 Random rotation
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