電力中央研究所

報告書「電力中央研究所報告」は当研究所の研究成果を取りまとめた刊行物として、昭和28年より発行されております。 一部の報告書はPDF形式で全文をダウンロードすることができます。

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電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)

報告書データベース 詳細情報


報告書番号

Q08007

タイトル(和文)

キャニスタ系貯蔵施設におけるSCC対策に関する研究(その2) ― SCC評価のとりまとめ ―

タイトル(英文)

Stress corrosion cracking of canister materials for storage of spent nuclear fuel(Vol.2)- An evaluation on the possibility of SCC initiation -

概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)

コンクリートキャスクに収納されるステンレス鋼製キャニスタでは塩化物による応力腐食割れ(SCC)が懸念されている。キャニスタで密封機能が喪失しないことを示すための試験を行った。キャニスタ候補材は62550hの定荷重試験によっても破断せず、高い耐SCC性を示した。キャニスタの温度が貯蔵時間に伴って低下することに対応して、SCCが発生する下限温度を調べた。20~40℃、相対湿度35%の恒温恒湿環境中において計測したステンレス鋼の表面電位は0.1~0.3V(SCE)の範囲にあった。この結果とすき間腐食電位の温度依存性との比較によって、SCCは25℃以下では発生しないことが示された。以上の結果と、既報の結果を総合し、キャニスタの健全性を評価したところ、貯蔵期間中にSCCの発生する可能性が極めて低いことが示された。

概要 (英文)

Stress corrosion cracking induced by chloride is a potential degradation mechanism of stainless steel canister which is contained within concrete cask. Several experiments were conducted to prove integrity of the canister during storage. Candidate canister materials did not fail by constant load test until 62550h. The lowest temperature for initiation of SCC was investigated by an electrochemical method. Surface potential of stainless steel was between 0.1 to 0.3V(SCE) at temperature of 20C to 40C with relative humidity of 20%. It was found that SCC does not occur below 25C from the comparison of the surface potential with crevice corrosion potential. Summarizing these results, it was concluded that no SCC will be expected on the canister during storage period.

報告書年度

2008

発行年月

2009/06

報告者

担当氏名所属

谷 純一

材料科学研究所 原子力材料領域

黛 正己

材料科学研究所 原子力材料領域

キーワード

和文英文
コンクリートキャスク Concrete Cask
キャニスタ Canister
応力腐食割れ Stress Corrosion Cracking
ステンレス鋼 Stainless Steel
海塩粒子 Sea Salt Particles
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