電力中央研究所

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電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)

報告書データベース 詳細情報


報告書番号

Q10002

タイトル(和文)

SrTiO3系ペロブスカイト材料のSOFC部材への応用(1)-インターコネクタ材としての適合性評価-

タイトル(英文)

Application of SrTiO3-based perovskites to components in SOFC(1) - Evaluation as SOFC interconnect materials -

概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)

SrTiO3系ぺロブスカイト材料は酸化・還元雰囲気中で高い化学的・物理的安定性をもつことから、SOFC用インターコネクタ材や炭化水素系燃料用アノード材として期待されている。酸化雰囲気中では伝導電子をもたないSrTiO3は低い導電性を示すため、その供与が可能な希土類元素や遷移金属元素等の置換が検討されているが、インターコネクタ材として評価した報告は少ない。SrをLa(Aサイト置換)、TiをCo(Bサイト置換)で一部置換した2種類のSrTiO3系材料(Sr1-xLaxTiO3, SrTi1-xCoxO3)を試作し、インターコネクタの使用条件下における物性を評価した。焼結性評価については、液相法で合成したSr1-xLaxTiO3は1400℃でも緻密に焼結するが、合成時に低い導電率を有する不純物相が出現することが分かった。一方、SrTi1-xCoxO3の焼結性は高く、固相法でも1400℃で不純物相のない緻密体が作製できた。導電率評価については、Sr1-xLaxTiO3の導電率は酸化・還元雰囲気ともにSrTiO3と比較し高い値が得られ、導電率の改善に有効であることが分かった。また、Bサイト置換の場合、導電率は空気中では向上するが、還元雰囲気中では著しく低下した。この低下は、Coが優先的に還元され、導電に関与するd軌道の電子が安定な状態になることに起因すると考えられた。以上より、SrTiO3系材料をインターコネクタに適用するには、La置換は不純物相発現の抑制手法の開発、Co置換は還元雰囲気中の導電率低下の抑制手法の開発が必要であることが分かった

概要 (英文)

SrTiO3-based perovskites have lately been attracted considerable attention as new interconnect and anode materials. However, from the viewpoint of electrical conductivity, SrTiO3 shows very low conductivity in air at SOFC operating temperatures. As possible A-site and B-site substituents, rare earth metals and transition metals are appropriate with respect to the enhancement of electrical conductivity.
The compatibilities of Sr1-xLaxTiO3 (0 < x < 0.3) and SrTi1-xCoxO3 perovskites (0 < x < 0.2) have been discussed for use as an interconnect in solid oxide fuel cells (SOFCs). Sr1-xLaxTiO3 perovskites show the chemical and physical stabilities in both oxidizing and reducing atmospheres. The thermal expansion behaviors are close to those of zirconia electrolyte. The conductivity values are approximately 0.5-1 S/cm in air and 5-7 S/cm in the reducing atmosphere. On the other hand, for SrTi1-xCoxO3 perovskites, SrTi0.8Co0.2O3 includes Sr2TiO4 as a second phase after the reducing treatment at 1273K. By Co-doping, thermal expansion coefficient increased remarkably, and the dense SrTi0.8Co0.2O3 sample caused self-destruction after the measurement was made in the H2 atmosphere. The Co doping of SrTiO3 was an effective way of increasing the electrical conductivity in air, whereas the doped sample showed a lowering of the increased conductivity in the reducing atmosphere.

報告書年度

2010

発行年月

2010/09

報告者

担当氏名所属

森 昌史

材料科学研究所 エネルギー変換・貯蔵材料領域

王 臻偉

材料科学研究所 エネルギー変換・貯蔵材料領域

キーワード

和文英文
固体酸化物燃料電池 SOFC
インターコネクタ Interconnect
SrTiO3 SrTiO3
Aサイト置換 A-site doping
Bサイト置換 B-site doping
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