電力中央研究所

報告書「電力中央研究所報告」は当研究所の研究成果を取りまとめた刊行物として、昭和28年より発行されております。 一部の報告書はPDF形式で全文をダウンロードすることができます。

※ PDFのファイルサイズが大きい場合には、ダウンロードに時間がかかる場合がございます。 ダウンロードは1回のクリックで開始しますので、ダウンロードが完了するまで、複数回のクリックはなさらないようご注意願います。

電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)

報告書データベース 詳細情報


報告書番号

Q10027

タイトル(和文)

環状切欠き試験片による耐熱鋼の多軸クリープ破壊挙動の評価

タイトル(英文)

Evaluation of multiaxial creep rupture behavior of heat-resistant steels by notched bar specimens

概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)

(1)Grade 91, Grade 122及び316FR鋼に対して、1次クリープから3次クリープまでのトータルな変形挙動を十分な精度で表現できるクリープひずみ式を開発し、汎用有限要素プログラムに実装した。
(2)開発したクリープひずみ式を導入した有限要素解析によって、同一形状の試験片であれば、切欠き断面の平均応力と骨格点*の相当応力である参照応力との比は材料特性にかかわらずほぼ一定の値を示すとともに応力多軸度も材料特性や負荷条件によってほとんど変化しないことから、環状切欠き試験片に対するクリープ試験が材料試験に準じるものと見なしえることを確認した。
(3)いずれの材料においても破断時間は同一の実断面平均応力での平滑材の寿命に比較して長寿命となる切欠き強化特性を示したが、非弾性解析による直接シミュレーションまたは参照応力を用いた簡易評価法によって良好に推定できた。
(4)いずれの材料においても切欠き材の断面収縮率は平滑材に比較して小さくなり、多軸度の増大によって延性が低下する傾向を示したが、その程度は材料・温度に依存し、平滑材の特性のみから推定するには困難であることを明らかとした。また、真破断延性や破損までのひずみエネルギー密度の変形速度や温度に対する依存性はGrade 91, Grade 122では空孔拡散活性化エネルギーを用いて良好に表現できることが確認されたが、316FRでは高温で延性が大きくなる傾向を示すため、同様なかたちでの整理は困難であった。

概要 (英文)

Possibility of creep rupture needs to be evaluated in design of various components operating at high temperatures. Multiaxial stress states need to be treated in many components and its proper consideration is of critical importance, in addition to the creep rupture behavior under uniaxial tension. In order to examine creep rupture behavior under high stress triaxiality, creep tests were conducted on notched bar specimens of various alloys used in power generation facilities. It was found that all materials showed notch-strengthening behavior but some materials showed considerable reduction of deformation at rupture, in comparison with the plain specimens. Its amount was not similar but strongly dependent on material, being larger in high chromium steels, and smaller in an austenitic stainless steel. It was found that the dependency of true rupture strain on temperature and inelastic strain rate in each material can be successfully modeled by a strain rate-temperature parameter.

報告書年度

2010

発行年月

2011/05

報告者

担当氏名所属

高橋 由紀夫

材料科学研究所

キーワード

和文英文
クリープ creep
多軸応力 multiaxial stress
非弾性解析 inelastic analysis
参照応力 reference stress
破断延性 rupture ductility
Copyright (C) Central Research Institute of Electric Power Industry