財団法人 電力中央研究所

電力中央研究所 研究報告書(電力中央研究所報告)
[CRIEPI Research Report]

研究報告書「電力中央研究所報告」は当研究所の研究成果を取りまとめた刊行物として、昭和28年より発行されております。 一部の研究報告書はPDF形式で全文をダウンロードすることができます。 ダウンロードの際には、当サイトの利用規約を遵守の上ご利用ください。

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研究報告書 詳細情報
[Detailed Information]

報告書番号 [Report Number]
Q18002
タイトル
屋外における交流インピーダンス法による塗膜劣化評価手法の改良
[Title]
Improvement of Field Evaluation Method of Paint Film Degradation Using AC Impedance Technique
概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)
背 景
塗装された鉄塔の塗膜劣化評価は目視判断で行われているが、より確実な塗膜劣化評価のためには、目視判断に先んじて診断できる手法を用いることが有効である。当所では、交流インピーダンス測定法に基づく屋外で塗膜劣化評価が可能な専用機(屋外用専用機)を用いて並列等価回路の抵抗RpやインピーダンスZを指標として、塗膜の劣化を評価する手法の開発を進めてきた[1]。しかし屋外用専用機には重量が大きいこと、入手が困難であること(生産中止)などの課題がある注1。また、屋外における測定では、データのバラつきが問題となっている。

目 的
塗膜劣化評価への安価で軽量な可搬性汎用機の適用性を明らかにする。また、屋外での鉄塔の塗装塗替え目安を提案する。

主な成果
1. 可搬性汎用機の適用性
可搬性汎用機によって求めた小型塗装試験片注2(15cm×7cm)のインピーダンスZは、精密な評価が可能な周波数応答解析機(高性能解析機)や従来使用してきた屋外用専用機によって測定した値と同じであることを確認した(図1、図2)。但し、一部の低周波数の測定条件で可搬性汎用機の結果の方が大きくずれることがあり、100Hz近傍の次にZの絶対値が大きい1kHzでの評価が適切である。測定誤差の原因は、高インピーダンスによって測定電流が非常に小さくなったためと推察される。
2. 屋外における塗膜劣化評価法の検討と塗装塗替え目安
屋外に定置してある大型塗装試験板注2のRpとZを屋外用専用機と可搬性汎用機で測定し、同等の値であることを確認した(図3の95ヶ月目)。また、RpとZは塗装表面温度の影響を受けており、RpよりもZの方が温度依存性が小さいため、データのバラつきを生じ難い注3。RpとZ の関係より(図4)、Rpを用いた水門鉄管塗替指針のランクD注4の範囲ではZとRpの値が等しくなっていることから、鉄塔の塗装仕様においても測定時の温度に関わらずRp>Zとなる状態では塗膜による防食が有効で、Rp≒Zとなる状態では塗替えが必要であることが示された。従って、本塗装仕様においてZ=3×105 Ω∙cm2以下が鉄塔の塗装塗替え目安となるが、詳細は今後確認していく。

安価で軽量な可搬性汎用機を用いた塗膜劣化評価が有効であることを示した。
[Abstract]
To estimate the proper time to repair the paint films utilized for painted steel towers, a method capable of evaluating film degradation objectively at outdoor sites is needed. We have been studying a deterioration diagnosis method using parallel resistance Rp and impedance Z as indicators by an AC impedance technique using the dedicated machine reported previously, but encountered some difficulties with the machine, namely its heavy weight, lack of commercial availability and cost. We tried to apply a portable, handheld commercial LCR meter to obtain Rp and Z, rather than the dedicated machine. From the comparison of the data obtained for painted samples exposed to the air near the seashore up to 95 months, we showed that the LCR meter can be used to evaluate the paint life. We also proposed a criterion of Z=3x105 ohm·cm2 in the AC impedance measurement to judge the time of paint film repair on steel towers.
報告書年度 [Report's Fiscal Year]
2018
発行年月 [Issued Year / Month]
2019/03
報告者 [Author]

担当

氏名

所属

安本 憲司

材料科学研究所 電気化学領域

キーワード [Keywords]
和文 英文
塗装鉄塔 Painted steel tower
塗膜 Paint film
交流インピーダンス法 AC impedance technique
並列等価回路の抵抗(Rp) Parallel resistance, Rp
インピーダンス(Z) Impedance, Z
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