財団法人 電力中央研究所

電力中央研究所 研究報告書(電力中央研究所報告)
[CRIEPI Research Report]

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研究報告書 詳細情報
[Detailed Information]

報告書番号 [Report Number]
Q18003
タイトル
確率論的破壊力学の実用化に向けた検証と活用事例−内部亀裂から表面亀裂への置き換え基準と脆化予測値の変化が評価結果へ及ぼす影響評価−
[Title]
Verification and example toward practical application of probabilistic fracture mechanics - Effects of transition criterion from internal crack to surface crack and variation of irradiation embrittlement prediction on evaluation results -
概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)
背 景
破壊頻度をもって構造健全性を評価する確率論的破壊力学(PFM)は,説明性の高い合理的な方法として注目されており,既に米国では,加圧熱衝撃事象発生時の原子炉圧力容器(RPV)の健全性評価にPFMが採用されている.我が国においてもPFM評価コードPASCAL等の開発や,RPVの健全性評価へのPFMの適用を見据えたガイドラインの策定などが進められている.また,PFMの活用を念頭に「PASCAL信頼性向上ワーキンググループ」が組織され,PASCALのコード検証が行われている.PFMの実用化に向けては,評価事例を通じた課題抽出や活用方法の提案が重要である.

目 的
PFMの実用化に向けた課題抽出の一例として,内部亀裂を表面亀裂に置き換える基準が評価結果に及ぼす影響を明らかにする.また,活用方法の提案例として,RPVの健全性を評価する上での重要な指標である照射脆化予測値の変化が破壊頻度に及ぼす影響を評価する.

主な成果
1. 内部亀裂から表面亀裂への置き換え基準がPFM評価結果に及ぼす影響評価
PFM評価において決定論的に取り扱われることが多いRPV壁の内面近傍に近づいた内部亀裂を半だ円表面亀裂に置き換える基準に着目し,PASCALを用いてその評価結果への影響を調べた(図1).その結果,解析開始直後に表面亀裂に変換されると,そのほとんどが最終的に破壊に至る(図2).一方,内部亀裂が進展した上で表面亀裂に置き換えられるケースはほとんどなかった(図3).従って破壊の有無は,解析開始時点の亀裂位置が置き換え基準に達しているか否かに支配されており,適切な置き換え基準の設定が重要である.
2. 脆化予測値の変化が破壊頻度に及ぼす影響評価
PASCALを用いて標準的解析要領に示す解析条件に従ったPFM評価を行い,その際に得られる破壊頻度を基準として,脆化予測値を変化させることで破壊頻度が1オーダー程度上下するときの感度解析を実施した.今回の解析条件では,仮想亀裂深さ10 mmにおける定格負荷相当年数が48年のときの脆化予測値の変化量は,破壊頻度(亀裂貫通頻度)の平均値が1オーダー程度上がるときで約24℃,1オーダー程度下がるときで約−15℃である(図4).この温度変化は,JEAC4201-2007[2013年追補版]の脆化予測におけるマージン(22℃)と同程度であった.
[Abstract]
Probabilistic fracture mechanics (PFM) is a rational methodology in structural integrity evaluation for components of nuclear power plants. Indeed, PFM has been already employed in the USA to assess the structural integrity of reactor pressure vessels (RPVs) subjected to pressurized thermal shock (PTS) events. In Japan, several PFM analysis codes such as PASCAL have been developed. The Japan Electric Association is working on development of a guideline for PFM to evaluation failure probability of RPV in PTS event. To promote the practical application of PFM, it is important to accumulate analytical experiences and feedback on code development. In this study, we focused on the criteria that embedded crack near inner surface of RPV transformed to a surface crack as the deterministic rule and clarified the effect of deterministic rule included in the PFM analysis code on the result. The sensitivity of the variation of irradiation embrittlement prediction, which was an important indicator for assessing the structural integrity of RPV, was also evaluated through a parametric study on fracture frequency within limited conditions.
報告書年度 [Report's Fiscal Year]
2018
発行年月 [Issued Year / Month]
2019/04
報告者 [Author]

担当

氏名

所属

永井 政貴

材料科学研究所 構造材料領域

山本 真人

材料科学研究所 構造材料領域

キーワード [Keywords]
和文 英文
確率論的破壊力学 Probabilistic Fracture Mechanics
構造健全性評価 Structural Integrity Assessment
原子炉圧力容器 Reactor Pressure Vessel
加圧熱衝撃 Pressurized Thermal Shock
中性子照射脆化 Neutron Irradiation Embrittlement
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