電力中央研究所

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電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)

報告書データベース 詳細情報


報告書番号

Q19001

タイトル(和文)

自立型無線センサ用電源としての振動発電モジュールの開発 ―第1報:磁歪式振動発電モジュールの試作と性能確認―

タイトル(英文)

Development of a vibration energy harvester module as a power supply for a stand-alone type wireless sensor node - Part I: Prototyping and Performance confirmation of magnetostrictive vibration energy harvester module -

概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)

背 景
無線センシング技術を活用したインフラ設備の状態監視には、センサノードを電源のメンテナンスフリーで運用する技術の確立が重要であり、振動など、その場にある微小なエネルギー源から電力を生みだすエネルギーハーベスティング技術の活用が期待されている。磁歪式振動発電は、電力設備の振動周波数帯域を得意とする方式であり、堅牢で過酷な環境下でも使用できることから、電力設備向けの振動発電として有望な技術である。
目 的
実際に稼働している電力設備の小さな振動からでも、自立型無線センサを駆動できる出力の発電が可能な磁歪式振動発電モジュールを設計、試作し、同モジュールの性能確認を行う。
主な成果
1. 磁歪式振動発電素子V-GENERATOR注 )の詳細性能確認
実用化、量産化を考慮して素子構造開発が進められている磁歪式振動発電素子V-GENERATORを、今回試作する振動発電モジュールの基礎デバイスとして選択した。その詳細性能を把握するために、発生電圧の振動周波数依存性、おもり(振動子)の質量と共振周波数の関係、開放電圧値の振動加速度依存性、および最適な負荷抵抗接続時に得られる電力の振動加速度依存性を明らかにした。
2. 電源回路モジュールによる直流 3.3 V電源化検討
V-GENERATORの作る交流(AC)出力を、無線センサノードの電源とするために直流(DC) 3.3 Vに整流する検討を行った。昇圧コンバータモジュールを用いた場合、コンバータの消費電力を賄えず整流が困難であった一方、電圧増倍回路で電圧を約12倍に昇圧し、降圧コンバータモジュールを適切に組み合わせることで、実効値80 W程度の小さな交流出力からでもDC 3.3 Vに整流することが可能であることを見出した。
3. 電力設備用振動発電モジュールの試作
発電所や変電所設備で多く見られる振動加速度1 m/s2(約0.1 G)程度の小さな振動源からもDC 3.3 Vの電圧と無線センシングに必要なmWオーダーの電力が得られること、簡便に設置できること等を考慮して、振動発電モジュールの設計と試作を行った。試作機は外形寸法45×90×25 mm、質量 約66 gで、100 Hz, 0.6 m/s2の僅かな振動からも3 Vを超える電圧を発生し、100 Hz, 9.8 m/s2の振動条件においては最大でDC 4.50 mWの電力が得られた。
4. 変圧器の振動を利用した性能確認
作製した振動発電モジュールを実際に稼働している変圧器筐体に取り付け、得られる電力によって温湿度無線センサモジュールを駆動できるか性能確認を行った。10秒毎に温湿度データを測定し、得られたデータの無線送信が途中で欠損することなく安定的に行えることを確認した。

概要 (英文)

For the condition monitoring of infrastructure and factory equipment using wireless sensor nodes, it is important to establish a technology that operates sensor nodes free from battery replacement, and it is expected to use energy harvesting technology. Magnetostrictive vibration power generation is suitable for the unique vibration of electric power equipment.
In this report, we clarified the basic performance of the latest type magnetostrictive vibration power generator, achieved rectification to DC 3.3 V using a combination of voltage multiplier and a buck converter, and we assembled a prototype vibration energy harvester module that can generate electric power of mW order enabling to drive wireless sensor nodes. The prototype vibration energy harvester module was attached to a 4000 kVA class transformer actually in operation, and the temperature and humidity data were measured every 10 seconds by the generated electric power. It was confirmed that stable wireless transmission could be performed successfully.

報告書年度

2019

発行年月

2019/09

報告者

担当氏名所属

伊藤 雅彦

材料科学研究所 構造材料領域

キーワード

和文英文
振動発電 Vibration power generation
磁歪 Magnetostriction
環境発電 Energy harvesting
電源回路 Power supply circuit
モジュール試作 Module prototyping
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