電力中央研究所

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電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)

報告書データベース 詳細情報


報告書番号

T03029

タイトル(和文)

東京湾における水銀の動態解明(その1) --冬季における海水中水銀の化学形態に関する実態調査--

タイトル(英文)

Mass balance study of mercury in the Tokyo Bay area (Part1)- Speciation of mercury in seawater in winter-

概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)

首都圏を後背地とする東京湾を対象海域として海水中における水銀の形態別分析を行った。海水中の総水銀濃度は1.9~11.1ng L-1、平均濃度は3.0±2.0ng L-1であり、またメチル水銀濃度は0.040±0.059ng L-1であった。これらの濃度は他の沿岸域における値と同程度であった。総水銀濃度はどの地点も表層で高く、5m以深はほぼ均一な濃度であった。総水銀濃度の約80%が溶存態として存在しており、そのほとんどが非反応性水銀であった。また、懸濁態中にも非反応性水銀が多く含まれていた。この水銀にはメチル水銀や腐食物質等の有機物と錯形成した水銀、硫化水銀等が分類される。このうちメチル水銀は総水銀のわずか2%程度しかなかった。また、硫化水銀は嫌気的な条件下で生成されるため、底層まで充分に酸素が行きとどいている冬季の東京湾海水中では、主に有機物と錯形成した水銀が支配的であると推察される。

概要 (英文)

To understand the distribution and fate of mercury compounds in coastal water, we measured total mercury (HgT), reactive mercury (HgR), dissolved gaseous mercury (DGM) and methyl mercury (MeHg) in seawater in the Tokyo Bay, a large urban coastal embayment. The averaged concentration of HgT was 3.0±2.0 ng L-1(N=20), ranged 1.9 ‐ 11.9 ng L-1. About 80% of HgT was dissolved. On the other hand, the averaged concentration of MeHg was 0.040±0.059 ng L-1. The percentages of DGM and MeHg of HgT were 0.14±0.10%, 2.2±2.8%, respectively. The average HgR/HgT in dissolved and particulate phase were 0.045±0.056, 0.021±0.031, respectively. This indicates that most of mercury in the sea water in the Tokyo Bay was unreactive, probably bound to organic compounds such as humic substances strongly binding Hg(Ⅱ).

報告書年度

2003

発行年月

2004/03

報告者

担当氏名所属

丸本 幸治

狛江研究所大気科学部

成川 正広

狛江研究所大気科学部

坂田 昌弘

狛江研究所大気科学部

キーワード

和文英文
総水銀 total mercury
メチル水銀 methyl mercury
反応性水銀 reactive mercury
沿岸海水 coastal seawater
東京湾 Tokyo Bay
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