財団法人 電力中央研究所

電力中央研究所 研究報告書(電力中央研究所報告)
[CRIEPI Research Report]

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研究報告書 詳細情報
[Detailed Information]

報告書番号 [Report Number]
V19003
タイトル
木本性植物に対する生育調節剤の性能評価(1) −樹幹塗布によるニセアカシアの萌芽成長抑制−
[Title]
Application of plant growth regulators for woody plants (1) - Sprout growth suppression by rub treatment of flurprimidol on Robinia pseudoacasia trunk -
概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)
背  景
景観管理を目的とした雑草の成長調節技術として、枯らすことなく伸長を抑制する生育調節剤の普及が進んでおり、樹木に対する適用事例も蓄積しつつある。架空送電線下で管理対象となる樹木成長を特異的かつ省力的に調節する処方が明らかになれば、伐採頻度の低減が可能となり、計画的な線下管理方策の一助となる。しかし、現行で登録されている処方(茎葉散布や土壌散布)では環境漏出や土壌および周辺植物への影響が否定できないことが広く用いられない要因の一つとなっている。
目  的
成長が早いマメ科木本性植物のニセアカシアに対して、環境漏出が少ないと考えられる樹幹塗布手法で生育調節剤の一種であるフルルプリミドール(FAMIC登録番号17317)を処方し、成長抑制効果および薬効範囲を明らかにする。
主な成果
1. 塗布処理によるニセアカシア成長抑制
春から秋にニセアカシアの温室ポット栽培試験を実施し、剪定面や樹皮下層への塗布処理によって外観面積、萌芽伸長および萌芽枝バイオマスを顕著に抑制できることを明らかにした。この時、翌年の初期萌芽成長に重要な根の貯蔵デンプン量も半減していた。
2. 薬効範囲の推定
 本研究の条件下では、塗布箇所より上位に発生する萌芽成長が早期に抑制されることを明らかにした。また、塗布個所を樹体基部または中央部に限定することで、処方登録規定量の20分の1の薬量でも、萌芽成長や外観面積を抑制できることを明らかにした。
3. 根圏共生微生物への影響
 根に付着した根粒の数および大きさは生育調節剤の処方で抑制されないことから、樹幹塗布は地下環境における樹木と微生物の共生を阻害しないことを明らかにした。
 以上の結果から、ニセアカシアに対する生育調節手法として、剪定面や樹皮下層への塗布処理が有効であることを明らかにした。
今後の展開
屋外に生育する樹木で性能を評価するとともに、他樹種に対する薬効を評価することで、再現性および薬効期間を明らかにして実環境への適用性を検証する。

[Abstract]
Plant growth regulators (PGRs) have been widely used for improving fruit ripening, controlling foliage plant size and so on. Now several PGRs are widely used for weed control in city area and golf courses. The use of the PGRs enable to save cost and labor not only for weed management but also vegetation management including woody plants. It was recently reported that foliage spraying and soil treatment were effective to suppress tree growth on excavation slope on load side. Accordingly, the application of the PGRs could also contribute to extend the logging period under power lines. However, current registered prescriptions in Japan, foliage spraying and soil treatment, are undesirable when we use the PGRs for the tree growth control under power line. Landowners are overly concerned about possible unintentional environmental diffusion caused by these prescription. So, we need to develop another procedure for the PGRs application to woody plants with less environmental negative impacts. In this study, we evaluated the effect of flurprimidol application by rub treatment to trunk on Robinia pseudoacasia. The rub treatment effectively suppressed sprout and root elongation, leaf expansion and net starch accumulation. Importantly, an application of less amount of flurprimidol that registered prescription to only one point near the ground successfully suppressed entire tree growth, including apical sprout elongation. In addition, no negative influences were observed on root-microbial interaction in rhizosphere, i.e. nodulation and nodule development.
報告書年度 [Report's Fiscal Year]
2019
発行年月 [Issued Year / Month]
2020/04
報告者 [Author]

担当

氏名

所属

橋田 慎之介

環境科学研究所 生物環境領域

松村 秀幸

環境科学研究所 生物環境領域

キーワード [Keywords]
和文 英文
生育調節剤 Plant growth regulators
塗布 Rub treatment
ニセアカシア Robinia pseudoacasia
萌芽 Sprout
根粒 Nodules
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