財団法人 電力中央研究所

電力中央研究所 研究報告書(電力中央研究所報告)
[CRIEPI Research Report]

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研究報告書 詳細情報
[Detailed Information]

報告書番号 [Report Number]
Y06013
タイトル
温暖化制約下の世界エネルギー需給シナリオプランニング -中国は「省エネ大国」になるか-
[Title]
A Study of Scenario Planning for the World Energy Demand and Supply under the Global Warming Constraints - Will China become an Energy-Saving-Giant? -
概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)
地球温暖化制約の下で、今後数十年の世界エネルギー需給シナリオの作成に資するため、今後、世界エネルギー需給に大きな影響を与える中国における省エネの将来を中心にシナリオ分析を行った。世界エネルギー需給シナリオのレビュー結果から、特に最近発表された多くのシナリオで、温暖化対策のみならず、エネルギーセキュリティを重視する傾向がみられた。これは、ちょうど現在が、高エネルギー価格のもと、省エネや代替エネルギーの開発が経済性を持ち、エネルギー安全保障政策と温暖化防止政策の方向性がおおむね符合している時期にあることを反映している。
次に、世界エネルギー需給シナリオにおける重要かつ不確実な要素として、中国をとりあげ、温暖化防止の観点から中国の変化の方向性に着目したシナリオプランニングを実施した。3つのシナリオについてストーリーラインを検討し、かつ世界エネルギー需給モデルを用いて定量的分析をした。
理念型シナリオである「省エネ大国中国シナリオ」では、中国の順調な経済成長と漸進的な民主化を背景として、政府の適切な指導のもと、省エネルギーが実現する。このイメージは、中国政府の公式見解そのものであるのみならず、中国のエネルギー問題に関する日本の専門家の間で広く共有されていた。このシナリオは、蓋然性が高いかもしれないが、単独の将来像に日本の政策形成・投資決定が束縛されているという危険の存在を示唆する。
次に、「未富先老の中国シナリオ」では、経済失政をきっかけに中経済成長が急減速し、その後は高齢化の影響から低成長のまま、省エネも進まないというシナリオである。人口高齢化を迎えつつ高度経済成長を続けた国はこれまでにないことが、このシナリオの蓋然性を高める材料である。
最後の「資源価格沈静化シナリオ」では、世界各地での資源開発投資が、「未富先老の中国シナリオ」に数年のタイムラグをもって重なると、資源価格は長期にわたって沈静化する。エネルギー価格の安定は、省エネや代替エネルギー開発の経済的インセンティブを弱め、温暖化防止政策の多くに逆風となる。
現在の多くのシナリオでは、資源需給が逼迫し、エネルギーセキュリティが重視される世界から、順調な経済成長と省エネルギー・温暖化防止政策へ徐々にシフトしていく、というという世界観が共有されている。しかし、モデル分析の結果、人口高齢化などの継続的な低成長要因もあり、エネルギー需給の緩和から、バレル40ドル程度に石油価格が沈静長期化する可能性もあることが明らかと成った。より、ロバストな温暖化防止政策の設計のためには、高い資源価格を必ずしも前提としないことが重要であろう。
[Abstract]
Under the constraints of global warming, the situation of world energy demand and supply is getting more and more complex and volatile. In order to broaden our future views of global energy scenes, we employed the scenario analysis methodology. As for the most influential and volatile scenario drivers, we focused on the future of China and explored three sets of different scenarios of China and draw their implications to the world.
(1)China as an energy saving giant: under appropriate governmental guidance the country will become an energy saving society, which is compatible to the Chinese official view and also widely accepted by Japanese-based academic and business experts of China.
(2) China as a Get-Old-before-Getting-Rich: its economic growth will peek out around 2010 and will remain low since then due to rapid aging of the society.
(3) Low and stable energy price: Increase of energy supply under the above scenario (China as a Get-Old-before-Getting-Rich) depresses the energy prices. Promotion of Energy conservation will stagnate in this scenario, as is the case for the scenario(2),
High energy price is a driving force for both climate policy and energy security policy, because it stimulates the energy conservation and development of alternative energy technology which contribute to mitigate the use of fossil fuels as well. As we described in the third scenario, however, there will be a certain possibility of low and stable energy price in the future. We should thus bear in mind to design a robust policy for climate change without premise of high energy price.
報告書年度 [Report's Fiscal Year]
2006
発行年月 [Issued Year / Month]
2007/04
報告者 [Author]

担当

氏名

所属

星野 優子

社会経済研究所 地域経済・エネルギー技術政策領域

杉山 大志

社会経済研究所 地域経済・エネルギー技術政策領域

キーワード [Keywords]
和文 英文
地球温暖化 Global Warming
世界エネルギー需給 World Energy Supply and Demand
中国 China
省エネ Energy Conservation
シナリオプランニング Scenario Planning
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