財団法人 電力中央研究所

電力中央研究所 研究報告書(電力中央研究所報告)
[CRIEPI Research Report]

研究報告書「電力中央研究所報告」は当研究所の研究成果を取りまとめた刊行物として、昭和28年より発行されております。 一部の研究報告書はPDF形式で全文をダウンロードすることができます。 ダウンロードの際には、当サイトの利用規約を遵守の上ご利用ください。

※ PDFのファイルサイズが大きい場合には、ダウンロードに時間がかかる場合がございます。 ダウンロードは1回のクリックで開始しますので、ダウンロードが完了するまで、複数回のクリックはなさらないようご注意願います。

研究報告書 詳細情報
[Detailed Information]

報告書番号 [Report Number]
Y07003
タイトル
電力供給地域別景気指数の開発
[Title]
Developing the Business Index by Japanese Power Supply Areas
概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)
「景気循環は多くの経済活動あるいは多くの経済変数に、ほぼ同時に、そして、繰り返して起こる変動の形である」という一般的な景気循環の定義に基づき、複数の景気指標を利用して幅広い経済分野をカバーする電力供給地域別の景気指数を開発する。開発された各地域の景気指数と景気転換点の推定結果から、地域ごとの景気循環の特徴・相違を明らかにし、電力需要の想定に資する情報を提供する。

生産活動、消費動向、雇用動向を代表する景気指標である鉱工業生産指数、大口電力販売量、大型小売店販売額、有効求人倍率の 4 指標を利用して主要な経済分野をカバーする電力供給地域別景気指数を開発した。
この結果、得られた成果は以下の通りである。

第 1 に、地域の景気循環がどの経済分野から強い影響を受けているかにより、各地域の景気循環の特徴を以下の 3 つに分類される。
(1) 生産と消費動向が強い影響を及ぼす地域 : 中部、中国、九州、北陸地域
これらの地域では、鉱工業生産指数と大口電力販売量の景気指数に対する影響度が相対的に大きく、生産活動と消費動向がこれらの地域の景気循環を規定している。
(2) 生産と雇用動向が強い影響を及ぼす地域 : 東北、関東、四国地域
これらの地域では、有効求人倍率と鉱工業生産指数の景気指数に対する影響度が相対的に大きく、生産活動に加え、雇用動向もこれらの地域の景気循環を規定している。
(3) 生産、消費、雇用動向がいずれも強い影響を及ぼす地域 : 関西、北海道地域
これらの地域では、鉱工業生産、大型小売店販売額、有効求人倍率の景気指数に対する影響度がいずれも大きく、生産、消費、雇用のすべての部門が景気循環に影響を及ぼしている。

第 2 に、推定された地域別景気指数を用いて各地域の景気転換点を推定した結果、地域ごとの景気循環の特徴は次の 4 つに分類できる。
(1) 全国と類似する地域 : 関東、関西地域
これらの地域では、景気拡張局面、景気後退局面それぞれの平均継続月数が全国に近い値を示し、全国の景気循環と類似した性質を持つ。
(2) 全国よりも短いサイクルを持つ地域 : 北海道、中部、北陸、四国地域
これらの地域では景気拡張局面、景気後退局面それぞれの平均継続月数が全国よりも短い。これは景気循環の周期が全国よりも小刻みであることを示す。
(3) 拡張局面比率が高い地域 : 東北、九州地域
これらの地域では景気拡張局面の平均継続月数が全国よりも長く、一度、景気が拡張局面に転じると、全国よりもその期間が長くなる傾向がある。
(4) 後退局面比率が高い地域 : 中国地域
中国地域では景気後退局面の平均継続月数が景気拡張局面よりも長く、一度、景気が後退局面に転じると、全国よりもその期間が長くなる傾向がある。
[Abstract]
Since the industrial demand of electricity is strongly influenced by the business cycles, the power company has to capture the business conditions in the power supply area in order to estimate the demand of electricity. Actually, some electric power companies utilize the regional business index to grasp the change of the regional economy in the short-run. The purpose of this paper is to measure the regional business cycles by Japanese power supply area using economic multivariate time series, and identify the turning points in regional business cycles.

Although several studies have been made on the regional business cycles in Japan, their business indices rely on one series, typically an index of industrial production in manufacturing sectors, and neglect the performance of the other sectors in the region. Burns and Mitchell (1946) defined that business cycles consist of the pattern of recurrent, serially correlated and cross-correlated movements in many economic activities. Therefore it is necessary to implement the information of the other sectors than the manufacturing in order to measure the whole business cycles of the region. Specifically, we extracted each regional business index from four business indicators using the principal components method, and applied the regime switching model to identify the turning points in regional business cycles.

Our result shows that the sector which relatively gives a great influence on the business cycles is different by region. Chubu, Chugoku, Kyushu and Hokuriku areas are relatively influenced by production activity and consumption change. On the other hand, Tohoku, Kanto and Shikoku areas are relatively influenced by production activity and employment situation. Furthermore, the contraction phases in early 1990s are detected in Hokkaido, Chugoku and Shikoku areas, while they have not been detected in the previous studies.
報告書年度 [Report's Fiscal Year]
2007
発行年月 [Issued Year / Month]
2007/10
報告者 [Author]

担当

氏名

所属

林田 元就

社会経済研究所 地域研究領域

人見 和美

社会経済研究所 地域研究領域

キーワード [Keywords]
和文 英文
景気循環 Business cycles
景気指数 Business index
地域経済 Regional economy
主成分分析 Principal component analysis
レジーム・スイッチング・モデル Regime switching model
Copyright (C)  Central Reseach Institute of Electric Power Industry. All Rights Reserved.