財団法人 電力中央研究所

電力中央研究所 研究報告書(電力中央研究所報告)
[CRIEPI Research Report]

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研究報告書 詳細情報
[Detailed Information]

報告書番号 [Report Number]
Y07006
タイトル
福井県における原子力とエネルギー問題に関する住民意識
[Title]
A Survey on Public Opinion regarding Nuclear Power and Energy Issues in Fukui Prefecture
概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)
福井県は,原子力開発の中心的な役割を担う自治体のひとつである。残念ながら,2004年の関西電力美浜発電所の死傷事故やデータ改ざんなどの不祥事問題により,原子力事業に対する社会の信頼が低下しているが,他方,原油価格高騰や温暖化対策強化を背景に原子力利用に対する期待が高まってもいる。原子力事業に対する信頼向上のためのコミュニケーション活動を検討する上で,立地地域住民の意識を慎重に調査する必要があると考え,福井県民の原子力利用やエネルギー問題に対する関心・知識・態度を把握することを目的とした調査を行った。
福井県を8地域に分け,各地域の市町村の住民基本台帳から無作為抽出した成人男女2000名に対し,訪問留め置き法で質問紙調査を2006年11月中旬から12月中旬に実施した。有効回答数は1328(回収率66.4%)であった。主な結果は以下の4点であった。
1)福井県民の原子力に対する態度や認知
福井県民の原子力の安全性(「かなり安全」「まあまあ安全」と答えた回答者の割合:42.6%)や必要性(「必要」「どちらかといえば必要」と答えた回答者の割合:73.4%)に対する認識は,他の原子力立地地域の結果*1(安全性10.7%:必要性66.8%)と比較して顕著に高い。また,今後の原子力発電推進に同意する割合も多い(47.0%)。原子力に対する不安感も全国調査*2の結果よりも「不安」と回答する割合が低い。ただし,「不安」とする回答者の割合(52.7%)の方が「安心」と回答する割合(23.5%)よりも高い。
2)性差・年齢差
原子力に対する認知や態度における年代・性別の差は,全国調査と同様に年代が上になるほど,女性よりも男性の方が肯定的態度の強い傾向が示された。ただし,原子力発電の必要性の認知には男女差は見られなかった。
3)地域差
‘原電立地’地域は,原子力発電の安全性も高く評価しており,安心感も他の地域より高いが,その根拠となる原子力についての基礎知識の認知率や発電所の安全管理への信頼は,他の地域と比較して低かった。‘丹南隣接’は,知識や安全管理への信頼,安全性・必要性の認知は福井県平均と同程度であったが,推進意見や安心感は平均より低かった。‘嶺南隣接’は福井県の原子力開発に関して最も推進意見が多く,原子力に関する知識や安全管理への信頼が高かった。
4)原子力に対する態度を左右する要因
先行研究や本調査のクロス集計結果に基づいて,原子力の必要性,安全性の認知,不安感,推進・反対意見がどのような要因から影響を受けているかを分析した。‘原電立地’地域では,安全設計や教育訓練がしっかりしていることが原子力の必要性に,国の監督や地震対策がしっかりしていることが安全性の評価に影響を与えていた。ただし,「安全だと考えるほど,原子力を推進する意見をもつ」という論理構造は確認できなかった。
今後は,原子力開発の中心的な役割を担うもうひとつの自治体である茨城県においても本調査で設計した質問紙を利用して調査を行い,立地地域住民の考えがどのような情報に左右される傾向があるのかを明らかにし,原子力広報の留意点をまとめる。
*1・・・第16回エネルギーに関する世論調査,2003 (財)社会経済生産性本部
*2・・・エネルギーに関する世論調査,2005 資源エネルギー庁総合政策課エネルギー情報企画室
[Abstract]
To 2000 people who were randomly sampled from the basic register of residents in Fukui prefecture, we conducted a questionnaire survey asking their interest in, knowledge of and attitude toward nuclear power, to analyze which perceptions and opinions they had and factors influencing them. The ratios of respondents in Fukui prefecture who think nuclear power is safe, necessary, and should be developed more, are higher than those of surveyed residents who live in other regions where nuclear power plants had been in operation. Differences in gender and age are nearly the same as those found in the nation-wide surveys has shown. The respondents in "Tsuruga" region, one of the centers of nuclear power research and development, are more acceptive and affirmative to the nuclear power than those in other regions, although they have less knowledge and credibility for nuclear power safety measures, such as regulation and monitoring by government, countermeasure of earthquake, training of workers and so on.
We analyzed the perception of risk and the sense of security for nuclear power, and the opinions for necessity and development of nuclear power, using a regression model. According to the estimated "Tsuruga" model, risk perception of Tsuruga respondents does not affect their opinion if nuclear power should be developed. No influence of the risk perception on their opinion for nuclear power suggest a possibility that residents have strong trust in nuclear power technology and electric power companies based on their long term experience.
報告書年度 [Report's Fiscal Year]
2007
発行年月 [Issued Year / Month]
2007/09
報告者 [Author]

担当

氏名

所属

小杉 素子

社会経済研究所 地域研究領域

土屋 智子

社会経済研究所 地域研究領域

キーワード [Keywords]
和文 英文
アンケート調査 Questionnaire Survey
住民意識 Public Opinion
福井県 Fukui Prefecture
エネルギー問題 Energy Issues
原子力発電 Nuclear Power
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