財団法人 電力中央研究所

電力中央研究所 研究報告書(電力中央研究所報告)
[CRIEPI Research Report]

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研究報告書 詳細情報
[Detailed Information]

報告書番号 [Report Number]
Y08002
タイトル
太陽熱温水器の普及はなぜ停滞しているのか
[Title]
Why is the solar thermal system diffusion declining in Japan?
概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)
石油危機以降、我が国では太陽熱エネルギー導入に大きな期待がかけられてきた。しかし、80年代初頭には世界一の導入量を見せたものの、80年代後半以降、中国・ドイツ・オーストリア等における急速な導入拡大とは対照的に、普及停滞を続けており、その原因は明確になっていない。そこで本研究では、太陽熱利用機器の普及がなぜこれまで停滞してきたかを明らかにすることで、今後の省エネ技術の普及過程及びその促進施策に関する示唆を得ることを目的とする。本研究では、文献調査・インタビュー調査により、普及停滞の要因について技術側面(基本機能と経済性)、マーケティング側面(販売チャネルと製品の付加価値づくり)、政策側面(支援政策の効果)の3側面から分析し、次の要因を同定した。
必ずしも優れていない経済性: 太陽熱利用機器の給湯器としての基本的機能には大きな問題はなく、利用者による評価は概して高いが、経済性は必ずしも優れていない。最も熱単価の高いLPガスを節約する場合でも、投資回収には6〜9年を要し、他の条件下では耐用年数内での投資回収が困難な場合がある。
便利で快適な給湯システムとしての開発の遅れ: ガス・石油給湯器が80年代から「豊かなお湯生活」に向けて利便性・快適性を高める製品開発を進めてきたのに対して、太陽熱利用機器はそのような開発が十分でなかった。併設するガス・石油給湯器との接合ができない、給湯圧が弱いといった問題があり、燃費節約以外の魅力が訴求されてこなかった。
優れた競合技術の登場: 90年代末には、利便性・快適性における課題は解決されたが、太陽光発電(PV)とエコキュートという優れた競合機器が登場した。PVは環境性の面で強い訴求力を持ち、またエコキュートは特にオール電化住宅市場において優れた経済性を有していることから、住宅メーカーや住設機器販売店は、営業リソースをPVやエコキュートにシフトさせた。
効果的な支援政策の不在: 低利融資制度(1980〜1996年)は、90年代以降の低金利時代にはメリットが少なく利用率は低迷した。また導入補助事業(2002〜2006年)は、市場全体の2割程度である強制循環型システムに対象が限定され、さらに利用率は4〜5割程度に留まった。
[Abstract]
While the cumulative solar thermal capacity in Japan is leading the world, the rate of adoption has been declining since the early 1980's. This contrasts very well with the increasing trend of solar thermal systems in some other countries, such as Germany, Austria, and China. Then, why is the solar thermal market shrinking in Japan? This report analyses the reasons of stagnation of solar thermal systems diffusion in Japan from three perspectives, namely technological factors, marketing factors, and policy factors. The analysis shows that, although the technology itself is almost matured and has decent economic performance (technology factors), marketing and distribution channels of solar thermal industry were not well-developed, and that there has been inefficient development effort towards a convenient and comfortable water heater system (marketing factors). The analysis also shows that support policies for solar thermal diffusion have been ineffective due to its narrow scopes (policy factors).
報告書年度 [Report's Fiscal Year]
2008
発行年月 [Issued Year / Month]
2008/06
報告者 [Author]

担当

氏名

所属

木村 宰

社会経済研究所 エネルギー技術政策領域

キーワード [Keywords]
和文 英文
太陽熱温水器 Solar Water Heaters
ソーラーシステム Solar Thermal Systems
技術普及 Technology Diffusion
マーケティング Marketing
支援政策 Support Policy
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