財団法人 電力中央研究所

電力中央研究所 研究報告書(電力中央研究所報告)
[CRIEPI Research Report]

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研究報告書 詳細情報
[Detailed Information]

報告書番号 [Report Number]
Y09023
タイトル
世界各国のエネルギー起源CO2排出量の長期トレンドの分析
[Title]
International Comparison of Long-Term CO2 Emission Trend
概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)
世界のエネルギー起源CO2排出量(以下、CO2排出量)の削減見通しについての客観的な検討材料を得るため、1971年以降の世界のエネルギー統計1)および経済統計2)を用いて、CO2排出量およびエネルギー原単位の数十年単位での長期トレンドに関する国際比較を行った。主な成果は以下のとおりである。
1.過去において、CO2排出トレンドが減少に転じた国はあるか?
1971年以降の世界137カ国のCO2排出トレンドを比較した。戦争や政治的混乱などの理由を除き、平時においてCO2排出量の低下を経験した国は、欧州5カ国に限定される。これらの国においても、東西ドイツ統一や燃料転換の影響を除けば、長期の排出トレンドが明確に減少に転じたと判断することはできない。すなわち、これまでの各国では政策努力のみによって、長期的CO2排出トレンドが明確に減少に転じた国は未だ存在しない。
2.現在において、日本の製造業の原単位は、世界最高水準にあるのか?
1971年から現在にいたるまでの世界の製造業のエネルギー消費原単位の推移を、製造業全体および業種別に、金額ベースおよび数量ベースの両面から比較した。その結果、日本のエネルギー消費原単位は、依然として世界屈指のレベルにあることが確認された。製造業が躍進している中国については、業種別金額ベースで比較すると、エネルギー原単位は急速に改善しているものの、機械産業の一部(電気機械)を除くと、日本との格差は依然大きい。
3.将来に関して、公表されているエネルギー原単位予測は、過去のトレンドと、どの程度異なるものだろうか?
(1)中国の原単位目標は野心的なものと言えるのか?
中国政府による、「2020年までにCO2排出原単位を2005年比で40〜45%低下させる」という中期目標の達成可能性を、エネルギー原単位の側面から検討した。中国では、製造業でのエネルギー原単位の改善余地は依然大きく、また、過去においてもこの中期目標達成に必要なエネルギー原単位改善のペースは、30年以上の長期にわたって維持されてきた。このため、中国の中期目標は、高い経済成長を前提とすれば自然体で達成できることから、野心的なものとは言えない。
(2)世界のエネルギー消費原単位は長期的に収斂傾向にあると言えるか?
世界全体での大規模なCO2削減を描くエネルギー需給シナリオの多くでは、諸国のエネルギー消費原単位は低い水準へと単調に収斂していくことが想定されている。しかしながら、1972-2006年の間の世界105カ国のデータを用いて地域別に分析したところ、原単位の格差縮小とキャッチアップ(原単位が高い国ほど、より速く低下する)が有意に確認できたのは欧州、中東のみであり、世界経済のグローバル化が進展した1990年代以降では、これら地域においても、地域内の原単位格差は逆に拡大傾向にある。
[Abstract]
In the L'Aquila G8 2009 Declaration, the goal of achieving at least a 50% reduction of global emissions by 2050 is reiterated. However, there is a large gap between the long-term global mitigation goal and the current global emission trend. In order to obtain an objective view about the global mitigation possibility, we focus on long-term trend of CO2 emission and energy intensity. Our findings are as follows.
1. Long-term CO2 emission trend of the world's nations in the past decades
In the past decades, except during wars or political turmoil, there are only five European nations that decreased CO2 emission. Even in those countries, it is not clear that their emission is on track for decrease on the long term.
2. Current energy intensity of Japan and the other nations
From the international comparison analysis using value and volume data of macro and manufacturing sector from the year 1971, we found that Japan's energy intensity is still the lowest level in the world. In China energy intensity has been rapidly decreasing, however, the gap to Japan is still large except for electric appliance industry. Taking into consideration about this energy intensity gap and the trend of decrease in the past decades, the China's target to decrease CO2 energy intensity 40-45% compared to that of 2005 by 2020 is not quite ambitious.
3. Future of energy intensity trend of the world's nations
Although global convergence of energy intensity is assumed in many long-term energy scenarios, we found that the worldwide energy intensity has not been converging to the lowest level from the analysis using 105 countries data from the year 1972 to 2006.
報告書年度 [Report's Fiscal Year]
2009
発行年月 [Issued Year / Month]
2010/05
報告者 [Author]

担当

氏名

所属

星野 優子

社会経済研究所 エネルギー技術政策領域

杉山 大志

社会経済研究所 エネルギー技術政策領域

キーワード [Keywords]
和文 英文
CO2排出量 CO2 Emission
長期トレンド Long-Term Trend
エネルギー原単位 Energy Intensity
国際比較指標 International Comparison Intex
地球温暖化 Global Warming
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