財団法人 電力中央研究所

電力中央研究所 研究報告書(電力中央研究所報告)
[CRIEPI Research Report]

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研究報告書 詳細情報
[Detailed Information]

報告書番号 [Report Number]
Y11033
タイトル
化石燃料間の価格相関性を考慮した発電用燃料としての低品位炭の評価
[Title]
An Evaluation of Low-Grade Coal as Fuel for Power Generation Considering Correlation of Prices among Fossil Fuels
概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)
化石燃料価格の高騰に伴い,電力供給コストに占める燃料費の比率の上昇や,燃料費の変動リスクの上昇が危惧される.褐炭などの低品位炭は,現地価格が低く,かつ価格変動の小さな燃料であり,わが国でも発電用燃料としての利用が期待されている.本研究の目的は,将来の化石燃料の価格上昇や価格の変動リスク(標準偏差)を考慮しながら,低品位炭をわが国の発電用燃料として導入する効果を分析することである.低品位炭の利用に重要な乾燥技術の開発効果,発電用の全燃料費の変動リスク,CO2排出量を含めて評価する.研究・分析の結果以下の成果を得た.当所の電源構成モデルを改良し,わが国全体を1地域とし,3種類の低品位炭乾燥技術を含む電源構成モデルを開発した.低品位炭価格シナリオは存在しないため,過去の化石燃料価格データとIEAの原油価格シナリオを用いて,低品位炭を含めた2020年の化石燃料価格シナリオを開発した.低品位炭は,その現地価格は低いが,輸送コストを含めると高品位炭に対する優位性が小さくなる.このため,低品位炭発電は,低品位炭コストが標準の場合は導入されず,コスト低減が実現したケース(0.8倍ケース)のみ導入される.東日本大震災前の現行の電源計画(原子力現行計画)下の基準ケースでは,全燃料費の期待値,その変動リスク,CO2排出量が比較的小さい.低品位炭コスト 0.8倍ケースでは,低品位炭の利用により,全燃料費の期待値は10%低下し,変動リスクは33%低下するが, CO2排出量は12%増加する.「自己熱再生」などの低品位炭の高効率乾燥プロセスが導入されれば,全燃料費の期待値と変動リスクはさらに低下し, CO2排出量の増加は抑制(2%増)される.LNGシフトはCO2削減に寄与する(26%減)が,全燃料費の期待値は36%上昇し,変動リスクも15%上昇する.極端な想定ではあるが,原子力発電が運転されずにLNGシフトする場合は,全燃料費の期待値は117%上昇し,さらに変動リスクも119%上昇する,という深刻な結果になる.
[Abstract]
The ratios of fuel costs to power supply costs in Japan have increased along with the increase of fossil fuel prices. Low-grade coal such as lignite, whose price is low and stable, is attracting attention in the power sector. The purpose of this study is to analyze the effect of introduction of low-grade coal power generation in Japan in 2020, considering possible hikes and uncertainty of the future prices of fossil fuels. We developed an optimal power mixture model including drying technologies of low-grade coal and correlation of prices among fossil fuels. Using the model and data, we obtained the following results. Reduction of transportation cost is indispensable for introduction of low-grade coal power. When low-grade coal power is introduced, it will reduce the fuel cost and its variance but increase the CO2 emissions in the power sector. The efficient drying process of low-grade coal such as self-heat reproduction will contribute to reduction of the fuel cost as well as the CO2 emissions. The power generation scenario based on the current construction plan of power plants will see low and stable fuel costs and low CO2 emissions. The scenario of LNG power shift will reduce the CO2 emissions but cause serious increase of the fuel cost and its variance.
報告書年度 [Report's Fiscal Year]
2011
発行年月 [Issued Year / Month]
2012/05
報告者 [Author]

担当

氏名

所属

山本 博巳

社会経済研究所 エネルギー技術政策領域

坂東 茂

社会経済研究所 エネルギー技術政策領域

キーワード [Keywords]
和文 英文
低品位炭 Low-grade coal
化石燃料価格 Fossil fuel prices
電源構成 Power generation mix
乾燥技術 Drying technology
褐炭 Lignite
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