電力中央研究所

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電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)

報告書データベース 詳細情報


報告書番号

Y12033

タイトル(和文)

2030年までの産業構造・エネルギー需給展望

タイトル(英文)

An Outlook for the Japanese Industrial and Energy Structure toward 2030

概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)

震災以後に議論されてきたエネルギー政策は、ゼロベースで見直す方針が示されている中、今後のエネルギー政策の見直し議論のため、マクロ経済・産業・エネルギー需給の将来像が求められている。そこで、本稿では当所のモデル群を用いて、2030年までのわが国の産業・エネルギー展望を行った。
分析の結果、日本経済は、緩やかな円安と世界経済の堅調な成長を前提とした標準ケースで、2010~30年で平均1.1%の実質成長を遂げる。電灯電力総合単価は、2010年比で36%上昇するものの、燃料価格上昇の影響をより受ける都市ガスに対して優位性が維持されるため、電力化が進行し、総電力需要は年率0.4%で増加を続ける。
また、世界経済の変化に応じたシミュレーションを実施した結果、2010~30年間の実質成長率は、世界経済好転・円安ケースで年率1.6%、世界経済停滞・円高ケースで年率0.5%となる。
さらに、今後、原子力の再稼働が進まないケースでは、実質GDP成長率が低下し、2010~30年までの累積的なGDPの損失額は、約86兆円に上る。就業者数も2030年時点で合計23万人減少し、特にサービス業で多くの雇用が失われる。家庭用の電気料金も上昇し、モデル家計(300kWh/月)では、約6百円/月の負担増となる。

概要 (英文)

This report presents an outlook for the Japanese industrial and energy structure toward 2030 employing a framework consisting of macroeconomic model, input-output model, and energy structure model. Main forecasting results are as follows:
i) In the reference case, the average annual growth rate of real GDP toward 2030 will be 1.1%. Electronic and communication equipment and services for business will grow steadily toward 2030. The total electricity demand will grow annually by 0.4% during 2010 to 2030. CO2 emissions in 2030 will increase by 4% compared with 1990 level.
ii) In such two alternative cases as of a weak overseas economy and strong yen, and a strong overseas economy and weak yen, the average annual growth rate of real GDP will change to 1.6% in the former and 0.5% in the latter according to the growth in manufacturing industry in each case (1.9% and 0.1% alternatively) .
iii) In the case that the "zero" nuclear generation situation is kept during the next two decades, the accumulated GDP loss amounts to 86 trillion yen toward 2030. The amount of employees will decrease by 230 thousand persons in 2030 compared with the reference case.

報告書年度

2012

発行年月

2013/04

報告者

担当氏名所属

浜潟 純大

社会経済研究所 経済・社会システム領域

星野 優子

社会経済研究所 経済・社会システム領域

永田 豊

社会経済研究所 エネルギー技術評価領域

桜井 紀久

社会経済研究所 経済・社会システム領域

門多 治

社会経済研究所

キーワード

和文英文
日本経済 Japanese Economy
産業構造展望 Industrial Outlook
エネルギー需給展望 Energy Outlook
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