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電中研式クリアランスレベル測定装置CLALISの開発
〜レーザー形状計測とモンテカルロ計算を活用した微量放射能測定装置〜

1.クリアランスレベルとは

クリアランスレベルとは「放射性物質として取り扱う必要のない放射能レベル」のことです。原子力発電所から発生する廃棄物であっても、自然界の放射線レベルと比較して十分小さければ、人の健康に対する影響が無視できるため、一般の廃棄物と同等の取扱が可能になります。

2.放射能を高精度に測る

原子炉施設の解体によって発生する廃棄物には、金属配管、バルブ、コンクリートがら等があります。クリアランスレベル以下であることの評価のためには、以上のような様々な材料及びサイズの廃棄物に対し、微量な放射能を高精度に測定する技術が必要です。そこで当所では、レーザー形状計測とモンテカルロ計算(放射線の輸送をシミュレーションするプログラム)を活用した、全自動の微量放射能測定装置CLALIS(Clearance Automatic Laser Inspection System)を開発しました(図1、図2)。


図1.電中研式クリアランスレベル測定装置CLALISの外観と内部構造。
形状計測と放射線計測を合わせた一連の処理時間は約100秒。




図2.CLALISで用いている放射能評価フロー。
レーザースキャナによる形状計測とモンテカルロ計算が
対象物毎に行われるため、高精度に放射能を評価可能。



3.成果の活用と今後の展開

CLALISは、ヒューマンエラーによる汚染の見落としを回避できるため、再利用廃棄物の安全性確保に貢献できます。現在、実用化を目指してさらなる改良を進めており、現場での活躍が期待されています。

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