CR-117 :抜けた隔離

作業状況

定期検査中、発電機と送電線を接続する2号機の屋内開閉所設備にて、従来型の気中絶縁開閉装置からGIS(ガス絶縁開閉装置※1)への取替工事を実施していた。GIS切替後の試験中、試験要領書の不備により、安全処置としての隔離※2が抜けていたため送電線保護リレーが動作した。その結果、送電中のしゃ断器が開放したため、運転中の1号機の送電が不可能となり、所内単独運転になった。

問題点

  • 試験要領書の作成・審査において、その方法・手順及び留意事項を定めたものがなく、標準的な試験要領書で試験を計画した。
  • 試験作業責任者は隔離の検討依頼時に試験条件の詳細を伝えていなかった。
  • 工事責任者は試験条件の詳細を伝えられていなかったため、隔離は必要ないと判断したが、そのことを関係者に連絡しなかった。
  • 試験条件に合わせた必要な隔離を記載しないまま、標準的な試験要領書で試験を実施した。

対策

  • 試験要領書の作成・審査のための手引きを定め、試験要領書の作成時には、実施体制、作業工程、作業内容、隔離内容(安全処置)、ヒューマンエラー対策等を記載するように改める。
  • 多数の作業班が編成される工事については、関係者全員で合同ミーティングを開催し、具体的かつ詳細な問題点と対策を周知する。
  • 当該試験要領書については、試験条件に合わせた隔離の必要性について記載するように改訂する。

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