原子力技術研究所 放射線安全研究センター

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放射線利用データブック 医療分野への利用

医療分野の概要

  1. 診 断

    医療分野においては、診断および治療の両面で放射線が広く利用されている。放射線診断はX線(レントゲン)検査と核医学検査があるが、その多くはX線検査である。

    X線検査の中で最も利用される胸部レントゲン撮影での被ばく線量は、1回あたり0.05mSv程度で、これは東京〜ニューヨーク間を航空機で往復した場合の約1/4と非常にわずか量である。また、バリウムを用いた胃透視やCT検査では胸部レントゲン撮影の10〜100倍程度である。

    核医学検査は、放射線同位元素を注射や内服した後に、対外に放出される放射線を測し、同位元素がどの臓器にどのように分布しているかを調べ、疾病の診断に役立っている。


  2. 治 療

    放射線治療は、メスを入れない局所療法であり、臓器の機能や身体の形を保ったまま治療ができる有効な手段である。この「機能・形態の温存」こそが、がん治療における放射線の最も特徴的な点である。また、放射線治療では多くの場合、数週間から数ヶ月にわたって少量の放射線を当てることが多い。分割照射と呼ばれるこの方法により、正常の臓器への障害をより少なくすることが可能である。


  3. 滅 菌

    コバルト60のガンマ線をあてて、人工腎臓・注射器・手術用手袋・メス・縫合糸・カテーテルなどの医療用具をはじめとして、ネズミ・モルモット・ウサギなどの実験動物の飼料・検査用具・包装材料などの滅菌が行なわれている。従来使われているガス滅菌法・高圧蒸気滅菌法に比べ、優れた点が多く急速に普及している。


    ※尚、本コーナーは現在順次構築中であり、表示できない部分が多くあります。

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