■食品照射の概要
食品分野における放射線の照射利用は、殺菌・殺虫・発芽防止などに利用される。食品照射の特徴は、温度上昇を伴わずに、どのような包装形態でも連続的に処理できる点にある。しかしながら、人が口にする食品に放射線を照射するということで、不安視する向きもあり、その安全性や健全性は重要な検討課題である。
X線を照射することによって微生物が死ぬことは、X線が発見されて間もない1900年頃にはすでに知られていたが、当時この発見を有効に利用しようという考えはなかった。
第二次大戦を経て放射線核種のコバルト60が人工的に作ることが可能となり、ジャガイモに放射線を照射することで発芽を防止する技術研究の報告書が契機となって、我が国も含めた世界各国で急速に研究が進展した。そして、食品の放射線照射がさまざまに役立つことが明らかになり、食品照射の技術が確立されることとなった。
しかしながら、我が国では唯一ジャガイモの発芽防止についてのみ許可されているのが現状である。
照射食品の安全性は国際的に確認されているが、我が国もより安全で豊かな食生活と損失の少ない流通および、効果的な殺菌・殺虫に役立つ食品照射法を正しく理解し、適切に利用することが望まれる。
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