発電所のヒューマンファクター事例紹介ポスターの作成



背景


ヒューマンファクターに関する問題は、電力業界にとって十分に注意を払うべき問題の一つである。その対応策の一環として、ヒューマンエラー事象から学んだ教訓をいかにして現場にフィードバックするか、そして類似事象の再発防止を作業者レベルの意識に直接訴える方法が求められている。


目的


米国原子力発電運転協会(INPO)が収集したHPES(Human Performance Enhancement System)データの中から、代表的な事例をテーマごとに記述した事例集「LIFTED LEADS」や、「J-HPESによる国内事例分析集」の事例を参考として、発電所運転員・作業員のヒューマンエラー防止意識を高めるため、イラストベースの安全啓発資料「Caution Report」を作成する。


主な成果


「Caution Report」は、「LIFTED LEADS」で紹介された事例や「J-HPESによる国内事例分析集」を参考として、分かりやすさ、ストーリー性、問題点の明確化などの観点から、

・ 内容を端的に表現した「イラスト」
・ ヒューマンファクターの関与した状況を説明した「作業状況」
・ ヒューマンファクターの観点からの原因を述べた「問題点」
・ どのように改善したかを示した「対策」

の4つの部分に集約して、1つのレポートにまとめた。
レポートは、適宜掲示板に張り出し掲示効果を高めるためのB2サイズの「ポスター」、A4サイズの「リーフレット」、およびリーフレットを一冊の小冊子に取りまとめた「Caution Report ファイル」を作成した。
「Caution Reportファイル」は、各発電所においてヒューマンエラー防止のための危険予知活動、作業前ミーティング、教育訓練、所内安全活動などで、より有効に利用できる様に、

a. タイトル一覧
b. 作業別分類
c. キーワード分類から体系的な活用ができるようにしている。

図1はCaution Reportに掲載した作業別分類の内訳であり、図2は既刊のCaution Reportである。




(図1)


(図2)