社経研DP

2011.05.31

カリフォルニア州における20/20節電プログラムと その事後評価の方法に関して

  • エネルギー需要
  • 企業・消費者行動

SERC Discussion Paper 11011

大藤 建太   木村 宰  

要約

 わが国においても,産業用や大口業務用需要家のみならず,小口業務用や家庭部門需要家も含めた幅広い節電協力の必要性が指摘されている。こうした需要家には情報提供などの対策がとられるが,基本的に節電行動は個々の需要家の自主的取組みにゆだねられており,結果として当該情報提供がどのくらいの節電に結びついたのか,といった評価は難しいものになることが多い。  
 本稿では,事例研究として,こうした幅広い需要家層をターゲットとして電力危機への対処のために米国カリフォルニア州で展開された「20/20プログラム」を例に,その概要と事後評価の方法,ならびにプログラムの費用対効果について,基本的なことを調べた。  
 事後評価の方法の面では,需要家の節電動機をサーベイ等によって調査し,プログラムの存在と関係ない節電行動を排除して,見かけの節電量の仕分けを行う必要があることを記した。プログラムの費用対効果の面では,冷房などによるプログラムの直接効果の節電量のほかに,プログラムと関係なくたまたま節減された電力も無視できず,そうした「プログラム外」節電量の存在は,見かけの節電量の3割以上と推定されることを記した。

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